Presentation Information
[09コ-ポ-17]運動学習における練習頻度の違いが技術習得と技術保持に及ぼす影響
*Takumi Sakamoto1, Shin-ya Ueda2 (1. Morinomiya University of Medical Sciences, 2. Tenri University)
【背景及び目的】運動学習において,学習者がモデルを観察し模倣することは基本的な学習方法であり有効性は示されている.よって,体育の授業やスポーツ現場の運動学習においても,指導者の見本を観察し模倣する観察学習が取り入れられている.運動学習においてスキルを獲得する際は,「技術習得」と「技術保持」が重要である.以上のようなスキルを獲得する際の効果的な練習頻度を明らかにすることは,教育やスポーツ現場における指導法確立の一助になり得る.そこで本研究では,運動学習における練習頻度の違いが技術習得と技術保持に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした.【方法】大学生42名を対象とした.週に1回15分間練習する群(週1G)23名と,週に3回各5分間練習する群(週3G)19名に振り分けた.運動課題は,カスケードを採用した.カスケードの動作を正面から撮影した見本動画を観察しながら,運動学習を行った.両群とも練習を4週間行い,その後練習をしない4週間の期間を経て,1ヶ月後に最終テストを行った.【結果】達成回数について,二元配置分散分析の結果,有意な交互作用は認められなかった(F=1.49,p=0.21).群間差における主効果については有意な差が認められた(F=13.30,p<0.001).Bonferroni法による多重比較検定の結果,週3Gの3週目(F=7.14,p<0.01)と4週目(F=10.44,p<0.01)は週1Gと比較して有意に高値を示した.また,週1G の4週目と1ヶ月後は,有意な差は認められなかった(F=0.34,p=0.56).さらに,週3G の4週目と1ヶ月後は,有意な差は認められなかった(F=0.88,p=0.35).【結論】観察学習を取り入れた運動学習において,練習頻度の違いは技術習得に影響をもたらすが,技術保持には影響をもたらさないことが示唆された.
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in
