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[09コ-ポ-53]卓球とバドミントンの授業が大学生のスポーツに対する態度と継続意欲に与える影響

*Koichiro Miyazaki1, Kengo Wakui1, Yukihiko Ushiyama1 (1. Niigata Univ.)
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大学生の運動習慣の希薄化が指摘される中、大学におけるスポーツ実技の授業は、運動技能の習得や身体的健康の維持・促進といった従来の目的に加えて、運動に対する態度や価値観を肯定的に再構成するという教育的役割を新たに担っている。とくに現代の大学生の多くが、過去の体育経験や自己評価に基づく「運動が苦手」、「人前でやるのが恥ずかしい」といった心理的障壁を抱えていることが報告されており、こうした認知や感情的要因をいかに低減し、自ら進んで身体活動に関わる契機を与えるかは、大学教育における重要な課題のひとつである。このような課題に対して大学の実技授業は、運動の成功体験、仲間とともに取り組む協働性などを通じて、学生が「またやりたい」「続けてみたい」と思えるような態度への変容を促す可能性を有している。本研究では、卓球およびバドミントンを題材とした大学教養スポーツ科目の実技に着目し、これを受講する大学生を対象として、スポーツに対する態度および生涯にわたる運動継続意欲がどのように形成・変容していくのかを多角的に明らかにすることを目的とする。本研究では、量的・質的データを同時に収集・分析し、結果を照合・統合する収束型並列設計に基づく混合研究法を採用する。対象は2025年度前期にN大学で「健康スポーツ科学実習Ⅰ」を受講している1年次学生約320名であり、授業最終回に36項目のリッカート尺度質問紙と3項目の自由記述からなる調査を実施する。量的データについては記述統計と探索的因子分析を行い、運動態度、生涯スポーツ意識、授業体験の下位因子を抽出した上で、相関分析・回帰分析・構造方程式モデリングを通じて、各要因間の関連性と心理構造を検討する。質的データはSCAT法により分析し、主観的気づきや意味づけの内容をカテゴリ化する。量的構造と語りの一致や乖離を通じて、大学体育授業の教育的意義を多面的に考察する。

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