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[13ア-ポ-06]特別な教育的支援が必要な児童生徒の保健体育授業を実践する教員の信念と経験特別支援学級教員を対象に

*Kota Sasamoto1, Kyosuke Uchida2, Naomi Yoshioka2, Rin Hosaka1 (1. Graduate School of Physical Education, Tokai University, 2. School of Physical Education, Tokai University)
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【目的】直近10年間で義務教育段階において特別支援教育を受ける児童生徒数は倍増し、通常の学級でも学習面や行動面で著しい困難を示す児童生徒が一定数在籍している(文部科学省, 2022 , 2023)こと等から、すべての学校段階でインクルーシブな教育の実践が求められている。教育実践や授業での意思決定には、その教員の信念が強い影響を与えるとされ(Pajares,1992)、特に体育授業のような実践的・対人的な場面での影響力は顕著であろう。朝倉ら(2010)は体育教師の信念について、自身の過去の経験や現場での協働・相互作用を通じて形成・強化されるものであり、教師の実践行為を規定する重要な要素であることを示唆している。多様な個々のニーズにあわせながら、保健体育授業を実践する教員の信念を明らかにすることは、インクルーシブな体育授業の実現に向けた教員のあり方や学びを示すことが出来ると考える。そこで本研究では、特別な教育的支援が必要な児童生徒の保健体育授業を実践する教員の信念と、その信念がどのような経験から形成・強化されたのかを明らかにすることを目的とする。【方法】関東地方のA市立B中学校に勤務するC教諭を対象にエスノグラフィーを参考に調査を実施した。C教諭はD大学体育学部を卒業後すぐに教職に就き、25年の教職経験を持つ40代の女性教諭である。現在は、特別支援学級主任を担当している。2025年1月から3月にかけてC教諭の授業の様子や指導場面における言葉がけ等をフィールドノートに記述、累積するとともに、授業外などでの自然な語りを抽出した。また、信念を形成・強化した個人の経験を記述するために半構造化面接を実施し、ライフヒストリー分析を行った。本学会では、得られたデータをもとに、対象教諭の教育実践や意思決定に影響する信念とそれを形成・強化してきた経験について分析した結果を報告する。

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