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[11教-ポ-05]肩甲骨操作に着目した倒立練習法の効果検証

*Shintaro Kumagai1 (1. Gifu shotokugakuen Univ.)
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<目的>本研究は、マット運動の倒立の姿勢改善および主観的運動感覚の改善を目指し、肩甲骨の動きに着目した段階的なドリルを実施することによる効果を明らかにすることを目的とした。<方法>中学生17名(男子:9名、女子:8名)を分析の対象とした。器械運動の授業(全7回)の冒頭約5分間を利用し、“ものさし”を用いた段階的なドリルを行わせた。初回と最終回の授業で、正面支持姿勢を保持した被験者を研究者が倒立位まで幇助し、その様子をデジタルビデオカメラで記録した。被験者には初回と最終回ともに幇助倒立試技後に、倒立時の主観的運動感覚に関するアンケート調査を実施した。ドリルの効果を検証するため、幇助倒立時の肩角度および腰角度変化について幇助開始から倒立位到達までを100%に規格化し、10%毎にWilcoxonの符号付き順位検定を用いてpre-post比較を行った。さらに、倒立時の主観的運動感覚について授業の初回と最終回とで比較した。<結果と考察>幇助倒立の姿勢について、肩角度に関してはドリル実施前後で有意な差は認められなかった。一方で、腰角度に関しては、ドリル実施前と比較してドリル実施後に有意な減少が認められた。なお、倒立位到達時の腰角度はドリル実施前後とも180°を超えた過伸展姿勢であったが、ドリル実施後は180°からの逸脱角度が有意に減少し(p = 0.002)、腰部の過伸展が改善されたことが示唆された。また、主観的運動感覚に関するアンケート調査について、初回アンケート時に倒立に恐怖心があると回答した7名のうち4名は最終回において恐怖心が緩和した。なお、“ものさし”を用いた練習方法については、17名のうち11名が「言葉のみの指導より分かりやすい」と回答した。以上より、外的焦点を用いて肩甲骨の動きを意識づける練習方法は、倒立の姿勢を改善することに有効であることが示唆される。

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