Presentation Information

[11教-ポ-15]倒立の学習に重点を置いたマット運動の授業進行に伴う成功の見通しと技の習熟度の変化接転技群後転グループを対象として

*Daisuke Matsunaga1, Akira Nakai1, Jinno Shutaro1 (1. Osaka Electro-Communication Univ)
PDF DownloadDownload PDF
倒立の学習に重点を置いたマット運動の授業において、授業進行につれて学習者が技を成功できるという見通しをどのように形成し、各技がどのように習熟されていくのかを接転技群の後転グループの技に焦点を当て検討した。
器械運動を受講する大学生67名を対象に、マット運動の11の技の体得を目指す6回の授業を展開した。毎回の授業終了後、調査対象者は各技をどの程度得意と感じるか(得意不得意度)を5件法で評価してもらった。
1回目と 2 回目の授業の各技の得意不得意度の合計得点は同等であり、学習導入前の得点はこれまでの経験に基づくその技の成功の見通し、学習導入後の得点はその技の習熟度と解釈された。倒立の得点は、授業進行につれて段階的に高くなった。基本技の後転では、学習導入前後で得点は同等で、成功の見通しと習熟度は概ね一致し、授業進行に伴って得点は大きく増加しなかった。発展技の開脚後転および伸膝後転では、1回目から2回目にかけて得点が低下し、学習によって成功の見通しが低下する場合があること、学習導入前よりも学習導入後の得点が高く、成功の見通しに対して技の習熟が上振れする場合があることが分かった。後転倒立では、授業進行に伴って段階的に得点が高くなる傾向が見られ、倒立の習熟と相まって成功の見通しが高くなったことが実際の技の習熟に繋がった可能性がある。
以上のことから、倒立の学習が後転グループの発展技の各技に必要となる、頭を抜く際の腰の開きや手の押し、高い位置に腰を運ぶ技術の習得に繋がり、各技の習熟に一定の効果を与えた可能性がある。一方、腰の開きと手の押しの同調のタイミングの難しさが影響して各技の習熟が進まなかったと考えられる。

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in