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[11教-ポ-22]ダンス学習における音楽リズムと身体リズムが学習者に与える心理的・身体的反応

*Rie Kojima1 (1. Kobe Women's University)
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現代的なリズムのダンスの導入から15年以上が経過した。しかし、このダンスの指導方法や「リズムの乗り」については、未だ議論が続いている。そこで本研究では、ダンスに用いられる音楽リズムとダンスの動き自体がもつ身体リズムとの関係性を明らかにすることを目的とした。そのため、音楽を聞いて動きたくなる快感情「ノリ」(Etani et al., 2018)に着目し、高等学校のリズム系ダンス授業にて、両リズムが学習者に与える影響を検討した。授業では、全国ダンス・表現運動授業研究会による「ケンパー・グッパーからヒップホップへ」(原田,2017,pp.96-97)を参考に、足ジャンケン(グー、パー、チョキ)を組み合わせたヒップホップの「縦ノリ」のダンスを班で創作し発表した。研究方法として、ケンパーによるダンス習得および創作・発表時において、リズム音の有無による2条件(身体リズムのみの「無音条件」と音楽リズムが流れる「リズム音条件」)で実施した。そして、授業終了時に「ノリ」や気分、踊りやすさなどに関するアンケート調査を行った。順序効果を考慮し生徒66名を対象に比較した結果、「自分のダンスがつくれた」という項目では、リズム音条件の方が無音条件に比べ有意に高い評価を示した。さらに、二次元気分尺度(坂入ほか,2009)を用いた気分調査の結果、リズム音条件では活性度と快適度が無音条件に比べ有意に高い値を示した。一方、「リズムがとれた」「体を動かしたい」「楽しく踊れた」といった評価には有意な差が認められなかった。これらの結果から、音楽リズムはダンス中の気分の活性化や快適さに加え、「自分のダンスがつくれた」といった創造的な動きを引き出す要因として働くことが示唆され、音楽リズムを取り入れた授業の有用性が明らかとなった。

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