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[11教-ポ-27]初心者を対象とした陸上競技「背面跳び」の指導展開における学習課題
*Masaya Kondo1, Satomi Uehara2 (1. National Institute of Technology (KOSEN), Toyota Colleg, 2. Aichi University of Education)
走高跳における「はさみ跳び」から「背面跳び」への学習段階の移行は、自然発生的に起こる事例が示されている(後藤ら,1996)。一方で、「背面跳び」へとメタモルフォーゼができない例も少なくない。「背面跳び」の技術習得に初めて取り組む段階では、何をどのように身につけるべきなのだろうか。「背面跳び」の発生に至るまで跳躍形態を概観すると、「イースタン・カット・オフ」、「ウエスタン・ロール」、「ベリーロール」、「背面跳び」の順に出現している(岡尾,2022)。発展わざは、その前段階において獲得されたわざが動感素材にされて新たに構成される。このことから運動形態の系統発生は、指導の方法論的順序の組立て方のヒントになるが、系統発生順に学習順序を配列すれば解決される訳ではない。次の発展形態の課題達成へ橋渡しするために必要なコツ・カン(金子,2002)としての運動技術が明らかにされる必要があろう。本研究の目的は、走高跳における「背面跳び」の技術習得に初めて取り組む段階でみられる学習のつまずきの原因を運動技術の視点から明らかにすることにある。先ず、「背面跳び」の跳躍技術を文献記述から調査した。ここでは、効果的な踏切動作の特徴として次の5点が確認された。①助走から踏切動作への移行局面において上体を内傾させること、②踏切動作においてバーの方向へ上体を倒れ込まないようにすること、③踏切動作における「跳ね返し」、④踏切動作における「振り上げ脚の振り上げ動作」と「上体の引き上げ動作」の同調、⑤「上体の引き上げ操作」における「ねじり動作」(北谷,2009)。発生的現象学の「脱構築」を通した動感観察によって踏切動作の中核となる動きを抽出し、踏切動作の後半では「ねじり動作」が不可欠であることが確認された。そして「背面跳び」の学習初期に特徴的なつまずき事例は、「ねじり動作」の動感志向に課題があることが示唆された。
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