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[05バ-ポ-18]トランポリン競技の後方伸身2回宙返り3回捻り動作における踏切局面中の角運動量が滞空時間に及ぼす影響

*Ryota Kishi1, Yuta Yamaguchi1, Naoki Wada1, Hirokazu Yamazaki1, Tetsunari Nishiyama1 (1. Nippon Sports Science Univ.)
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トランポリン競技においてTスコア(演技中の滞空時間得点)はトータルスコアと高い相関を示す。さらに滞空時間が長いことは高難度の技の実施や演技の見栄えにも影響することが報告されており、重要なパフォーマンス要素である。滞空時間は一般に離地速度の大きさによって決まり、これは踏切中に得られるトランポリンベッドの垂直反力力積(以下:力積)に比例する。また、空中での宙返りや捻りに必要な角運動量は踏切中に発生させる必要がある。本研究では、後方伸身2回宙返り3回捻り動作を対象に、踏切中の角運動量と離地速度に強く影響する力積との関係を調べた。国内トップレベルの男子トランポリン競技選手8名を対象とし、3次元モーションキャプチャ(Arqus 5, Qualisys社)を用いて動作を解析した。得られた3次元座標データを用いて、身体重心の離地速度、力積、および全身の角運動量(宙返り、側方回転、捻り)を算出した。Spearmanの順位相関係数を用いて各変数間の相関関係を調べた。離地速度(8.1±0.3m/s)と力積(8.2±0.3Ns)の間に有意な正の相関(ρ=1.000)が認められた。一方で、力積と宙返り角運動量(踏切中:381.0±18.1 kgm2/s、着地時:258.2±19.0kgm2/s、離地時:379.8±18.4 kgm2/s)、および捻り角運動量(離地時:35.5±16.9 kgm2/s)との間にはいずれも有意な負の相関が認められた(ρ=-0.810、p=0.015;ρ=-0.738、p=0.037;ρ=-0.905、p=0.002;ρ=-0.714、p=0.047)。踏切中の力積が大きいほど離地速度が高まり滞空時間は長くなるが、角運動量の発生が大きい場合には力積が小さくなり、滞空時間を減少させると考えられる。

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