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[09コ-ポ-02]女子陸上長距離種目の指導者に向けたコーチング法の検討女子長距離選手の月経状態に着目して

*Hikari Kurokawa1, Masaaki Sugita2 (1. Graduate School of Health and Sport Science,Nippon Sport Science University, Tokyo, Japan, 2. Faculty of Sport Science, Nippon Sport Science University, Tokyo, Japan)
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陸上競技の長距離種目は練習も試合も運動時間が長く、エネルギーを多く消耗するため、コンディションによって好不調の違いが明瞭に表れやすい種目である。長距離ランナーの身体組成は競技力に大きく影響しており、特に女子長距離ランナーは瘦身で低体重・低体脂肪の体格を望む傾向があることから、減量等による体重管理を行うことで、慢性的なエネルギーおよび栄養素の過不足となり、無月経や月経困難症、骨粗しょう症、摂食障害などの女性アスリートの三主徴を有することが報告されている。女性は月経周期を有し、それに伴い生じる生理的・心理的な変化は、コンディション維持を難しくする一因となっているが、女性としての健康的な身体を維持するための重要な役割を担っている。しかし、陸上競技においては月経がないことは自分が頑張っている証拠だと認識するという誤った固定観念を持つ選手の実状が報告されている。また、日本陸上競技連盟の「競技者育成指針」においては、中長期的な視点での競技者育成の重要性が広く認識されていないことが懸念されている。以上のことから、競技力の向上のみならず、競技者の長期的な健康、育成を考慮した指導が求められていると考えられる。日本のトップレベルの選手および指導者の月経に関する様々な実態から課題を明らかにすることで、中長期的な視点に目を向けた指導の実現につながると考えた。そこで本研究では、高校、大学、実業団に所属する女子長距離選手および指導者を対象に月経に関するアンケート調査を実施し、女子長距離選手および指導者の実態を明らかにすることで、指導者に向けた月経問題に対するコーチング方法の知見を得ることを目的とした。対象者は、2024年度の駅伝において、全国大会、全日本大会に出場したチームに所属する高校生、大学生、実業団選手およびその指導者とし、Webアンケートを実施した。

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