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[09コ-ポ-06]女子投てき競技における競技力向上に寄与する体力特性の探索的検討

*Takuma Nakanishi1, Daisuke Sato2, Toshimasa Kumazaki3 (1. Osaka University of Health and Sport Sciences, 2. Sports Science Center, Osaka University of Health and Sport Sceinces, 3. School of Sport Sciences, Osaka University of Health and Sport Sceinces)
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投てき競技は,爆発的な筋力や俊敏性,スピードなど多様な体力要素が求められる競技である.これまで男子選手を対象とした研究では,コントロールテストと競技成績の関係性が報告されているが,女子選手に焦点を当てた研究は限定的である.本研究では,大学女子投てき選手を対象に,過去20年間に渡り実施・蓄積してきたコントロールテストの成績と競技記録との関係を検討し,競技力向上に寄与する体力特性の解明を目的とした.【方法】対象は,陸上部に所属経験を有する大学女子投てき選手126名 (砲丸投げ:28名,円盤投げ:26名,ハンマー投げ:15名,やり投げ57名)とした.対象者は砲丸・ハンマー投げ群,円盤投げ群,やり投げ群の3群に分類した.筆者が所属する大学では1996年以降,年に複数回,立ち両足三段跳び・立ち五段跳び・20m加速走・前方砲丸投げ・後方砲丸投げの各コントロールテストを実施してきた.各選手のコントロールテスト前後に行われた競技記録については,2025年IAAF scoring table (IAAFスコア)を用いて得点化し,その得点と各コントロールテストとの関連性についてピアソンの積率相関係数を用いて分析した.【結果】すべての群において,IAAFスコアと有意な正の相関関係にあった項目は砲丸後方投げのみであり (r ≤ 0.46; p ≤ 0.02),IAAFスコアと他のテスト項目との関連は限定的であった.また,やり投げ群 (r = 0.13; p = 0.33)を除き,IAAFスコアと砲丸前方投げ (r ≤ 0.60; p < 0.01)との間に有意な正の相関関係があった.【結論】女子投てき選手において,砲丸後方投げはすべての種目群で競技力と関係し得る体力指標であることが示された.また,砲丸前方投げも一部の種目群で有効であり,体幹および上肢のパワーが競技成績に寄与する可能性が示唆された.

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