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[09コ-ポ-08]女子円盤投選手の円盤初速を高める動作の指導法の検討

*Naoki Yamashita1, Masaaki Sugita2 (1. Graduate School of Health and Sport Science,Nippon Sport Science University, Tokyo, Japan, 2. Faculty of Sport Science, Nippon Sport Science University, Tokyo, Japan)
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円盤初速は円盤投の記録において最も強く影響する要因であり,その獲得にはリリース局面までの体幹を中心とした動作が重要である. そこで本研究では,女子円盤投選手22名の公認競技会(2021年5月,2022年9月,2023年5月および10月)における試技を2台のデジタルビデオカメラを用いて撮影し,最も記録の優れていた試技(試技記録46.27±4.97m;範囲:32.05―55.79m)についてデジタイズを行い,身体各部と円盤中心の3次元座標値を取得した.対象者を試技記録に基づき上位群11名(49.99±2.65m)と下位群11名(42.55±3.79m)に分類し,体幹の角度および円盤速度変化量,リリースパラメータについて比較を行った.結果,上位群の選手は下位群の選手よりも投てき動作開始時における体幹の捻転角度が有意に大きく(p<0.05),両足支持局面中における円盤速度変化量も有意に大きかった(p<0.05).また,上位群の選手はパワーポジションからリリースかけて体幹を後傾から前傾へと起こす動作が確認された一方,下位群の選手は体幹の起こしが不十分で体幹をより後傾させた状態でリリースを行っていた(p<0.05).また,下位群の選手は円盤初速の水平成分が小さいこと(p<0.05),投射角は大きいこと(p<0.05),投射高は低いことが明らかとなった(p<0.05).以上のことから,下位群の選手の動作指導においては円盤を加速させるために動作開始時から体幹の捻り戻しを積極的に行うことを,パワーポジションからリリースにかけては円盤初速の水平成分を獲得しながら高い位置でリリースするために、体幹を投てき方向に引き出しながら投てきすることを留意して指導を行うことが,パフォーマンス向上に重要であることが示唆された.

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