Presentation Information

[09コ-ポ-32]アマチュアボクシング選手の疲労に伴うパンチパフォーマンスの変化

*Shinya Kimoto1, Akira Maeda1 (1. National Institute of Fitness and Sports in KANOYA)
PDF DownloadDownload PDF
アマチュアボクシングは、高強度の運動を断続的に行う競技であり、疲労状態においても高いパフォーマンスを発揮することが求められる。日本ボクシング連盟によると、アマチュアボクシングの判定基準はターゲットエリアへの質の高い打撃の数を重視すると報告している。そのことから、パフォーマンスとして相手に避けられない素早いパンチを疲労状態である試合後半まで維持することが重要であると考えられる。実際、Cheraghi et al.(2014)は、アマチュアボクサーは重いパンチよりも素早いパンチを重視していることを示唆している。しかし、アマチュアボクシングにおける疲労時のパフォーマンスを調査した研究は限られており、とくに身体運動を時系列的に分析した研究は見られない。本研究では、アマチュアボクシング選手の疲労に伴うパンチパフォーマンスの変化を明らかにすることを目的とした。対象者はアマチュアボクシング選手11名とし、まず最大努力でサンドバッグに対して単発パンチ(Pre)を実施した。続いて、3分間の最大努力パンチ試技(3MPT)を行うことで疲労を誘発し、その直後に再び単発パンチ(Post1)を実施した。以降、1分間の休憩を挟みながら3MPTと単発パンチを繰り返す一連のサイクルをPost3まで実施した。パンチ動作は光学式三次元動作解析装置を用いて計測し、得られた座標データからパンチ速度および上胴や下胴等、各関節の回旋角速度などの時系列データを算出した。その結果、パンチ速度はPreと比較してPost1~Post3において有意な低下を示さなかったが、反動局面における上胴や下胴等、各関節の負の回旋角速度などは有意に増加していた。これらの結果から、単発パンチにおいては疲労状態でもパフォーマンスの維持が可能であり、高いパンチ速度の発揮と維持には反動局面における素早い動作が重要であることが示唆された。

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in