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[09コ-ポ-34]国立スポーツ科学センターにおけるフィットネスチェックの活用実態に関する検証

*Takumi Nozawa1, Haruhiko Goto1, Naoki Numadu1, Takeo Matsubayashi1 (1. Japan Institute of Sports Sciences)
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国立スポーツ科学センターでは、トップアスリートの競技力向上を目的としてフィットネスチェック(FC)を実施している。FCはアスリートの体力レベルの現状把握やトレーニングへの適応の評価に加え、過去にFCを実施した日本代表レベルのアスリートの測定値と比較することでパフォーマンスの予測にも活用されている。しかし、FC活用の実態について国際大会の成績と関連づけた検証はこれまでなされていない。本研究では、東京2020オリンピック・パラリンピック大会(東京大会)以降にFCを実施した競技団体のパリ2024オリンピック・パラリンピック大会(パリ大会)における競技成績を調査し、FCの活用性について検証することを目的とした。対象競技はパリ大会で実施されたオリンピック32競技及びパラリンピック22競技とした。対象期間はオリンピック競技、パラリンピック競技ともに東京大会閉会からパリ大会開会とし、各年度のFC実施回数を集計した。結果、オリンピック競技では16競技(50.0%)でFCが実施され、うち6競技(37.5%)で入賞以上、2競技でメダルを獲得していた。また、パラリンピック競技では5競技(22.7%)でFCが実施され、その全てで入賞以上、2競技でメダルを獲得していた。また、FCを実施している競技の中で、パリ大会でメダルを獲得したアスリートは複数年継続してFCを実施していた。FCを実施した21競技のうち11競技がパリ大会で入賞者を出していたことは、FC活用が競技成績向上へ貢献していた可能性を示すものであった。また、FCを継続実施している競技でメダルが獲得されていたことから、継続的なFC実施が重要であることが示唆された。一方、半数以上の競技ではFCの実施経験がなかったことから、今後はこれらの競技団体へのFCに関する理解促進、測定サイクルの構築、データ蓄積を通じた次世代アスリート支援の強化が求められる。

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