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[09コ-ポ-38]同一競技における国内一流選手の体力からみたJOCエリートアカデミー選手の体力の比較
*Naoki Numazu1, Yuko Tanimura1, Daichi Yamashita1, Takahisa Oguchi2, Takeo Matsubayashi1 (1. Japan Institute of Sports Sciences, 2. Japan Olympic Committee)
ユース年代の選手の体力測定を行う目的の1つに、発育発達過程の評価がある。高水準の競技成績を有する選手を評価する際、非アスリートも対象とした新体力テストの結果を基準値に用いると、対象者の体力を正しく評価できない場合がある。本研究の目的は、同一競技のシニアの国内一流選手を基準に、高水準の競技成績を有するユース年代の選手の体力水準を比較することとした。ユース年代の選手の値は、国立スポーツ科学センターが実施したフィットネスチェックにおいて2009年から2024年までにJOCエリートアカデミーに所属したレスリング選手,男子のべ140名女子のべ127名の測定値とした。基準となる国内一流選手の値は、フィットネスチェックハンドブックに掲載されているシニア世代のレスリング選手の平均値および標準偏差を用いた。ユース年代の選手の値はフィットネスチェック実施日における対象者の年齢から中学1年から高校3年に分類し、各学年の平均値および標準偏差を算出した。リバウンドジャンプ・カウンタームーブメントジャンプ・30秒ウィンゲートバイクテストの3項目を比較した。その結果、RJ指数は、男子中量級および女子中量級と重量級において、高校1年以降の平均値がシニア選手の平均値と同程度であった。カウンタームーブメントジャンプ跳躍高は、女子全ての階級において、高校1年以降の平均値がシニア選手の平均値と同程度であった。また、ウィンゲートテストのピークおよび平均パワーは、男子中量級選手において、中学2年以降の平均値がシニア選手の平均値と同程度であった。以上より、本研究で対象とした高水準の競技成績を有するユース年代のレスリング選手は、男女ともに高校1年時点で国内一流選手と同程度の下肢のバリスティックなパワー発揮能力を有すること、男子選手では中学2年時点で国内一流選手と同程度の無酸素性持久力も有することが明らかとなった。
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