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[09コ-ポ-42]大学女子サッカー選手を対象としたスプリントトレーニングの有効性の検討に関する事例的研究大学女子サッカー選手におけるスプリントトレーニングに関する事例的研究
*Kousuke Nukumizu1, Masaaki Sugita1 (1. Nippon Sport Science University)
本研究は大学女子サッカー選手を対象にスプリントトレーニングを実施し、その有効性を検証するとともに、指導現場における実践的な知見を得ることを目的とした。高い疾走速度の獲得要因および疾走動作の特徴を抽出し、女子サッカー選手のスプリント能力向上を図るトレーニングプログラムを実施した。トレーニングは、スキップ、バウンディング、マーカー走やハードル走、ジャンプ種目を20~30分/回、2回/週、8週間実施した。フィジカルテストは、30m走、10m×5シャトルラン、アローヘッドアジリティテスト、垂直跳、立幅跳、リバウンドジャンプを介入の前後で実施した。30m走、10m×5シャトルラン、垂直跳、リバウンドジャンプは有意な改善が認められたが、アローヘッドアジリティテストおよび立幅跳では有意な改善が認められなかった。30m走では、ストライドは維持しピッチは有意に増加し、トレーニングプログラムの有効性が示唆された。しかし、サッカーの重要な要素である方向転換能力の種目のアローヘッドアジリティテストでは改善は認められず、サッカーのスプリントトレーニングにおいて競技の特異性を考慮したトレーニングを行う必要性が示唆された。 本研究の実施期間中は、普段のサッカーのトレーニングも実施しており、スプリントトレーニング以外の要因も影響を与えている可能性があるが、少なくともスプリントトレーニングがパフォーマンスの向上に寄与していることが示唆される。したがって、試合期においても低頻度かつ短時間のトレーニングでもスプリント能力が向上することを示しており、本研究で実施したトレーニングプログラムの有効性を明らかにすることができたといえる。今後も継続して、女子サッカーの課題であるスプリント能力の改善や向上を図るトレーニング効果の検討をし、指導現場へ還元していくことが必要である。
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