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[03心-ポ-12]他者身体との空間的/解剖学的適合性のパフォーマンスへの影響
*Kumi Naruse1 (1. Nara Women's University)
運動学習には身体模倣の現象が多様にみられる.動きの習得時に,示範者が学習者に対面し左右方向を違えて示す場面や示範者が背面になり示す場面などでは,その位置関係によって両者の身体部位が空間的もしくは解剖学的に適合する.Catmur & Heyes (2011)は,SC(反応刺激)の背景にMC(無関係な運動刺激)を提示する刺激反応適合性パラダイム実験を行い,他者(MCモデル)と自身の身体(SCへの反応)に空間的適合性または解剖学的適合性がある場合に反応時間が短縮することを報告した.本研究では,MCモデルと実験協力者との間に,空間的適合性のある対面一致条件,解剖学的適合性のある対面不一致条件,両適合性のある背面一致条件,両適合性のない背面不一致条件の4条件を設定し,ボタン押し課題(SCに対して指示された左右の人差し指で左右どちらかの反応ボタンを押す)を用いて実験を行った.大学生女子24名が実験に参加した(奈良女子大学研究倫理審査委員会承認番号21-67).対面一致条件は他の3条件よりも反応時間が短縮した.SOA(刺激開始非同期.MC出現からSC出現までの時間的遅れ)が150 msと200 msの場合,対面不一致条件は背面不一致条件よりも有意に反応時間が短縮し,解剖学的適合性効果がみられた.適合性効果と個人特性との関連性について,多次元共感測定尺度 (桜井, 1988)と思索家型・芸術家型認知様式質問紙 (伊田・坂野, 1988)を用いて相関を求めた.共感4尺度との相関は認められなかった.分析性・抽象性尺度(視覚情報をそのまま捉える傾向)とSOA100 msの反応時間に有意な負の相関が認められた.
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