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[03心-ポ-36]レジリエンスとグリットは退学リスクの予測因子になり得るかGPAと大学不適応感との関連から
*Seiichiro Shigeto1 (1. Niigata University of Helth and Welfare)
令和3年度の大学中退者のうち、15.7%が学生生活不適応・修学意欲低下を理由としており、その割合が高まっている。大学中退者は1年次前期のGPAが低く、2年次前期までの累積GPAが2以下の場合は退学リスクが高まる。一方で、退学リスクが高い状況にもかかわらず、退学に至らない者もいる。この現象との関連が予測される心理特性として、レジリエンスとグリットが考えられる。そこで本研究では、大学不適応感とGPAに対するレジリエンスとグリットとの関連性について明らかにする。大学1年生を対象に調査を行い、大学不適応感と大学1年次前期のGPAに対するレジリエンスとグリットの関連性について分析する。令和6年9月から10月にかけて、N大学スポーツ系学科1年生に対してGoogle forms による調査を実施した。1年生266名のうち、238名から回答が得られ、同意書に「同意しない」を選択した23名を除いた215名を研究対象とした(有効回答率81%)。 1年次前期のGPAでは、「3~3.49」が79名(36.7%)と最も多く、次いで「2.5~2.99」が63名(29.3%)、「2~2.49」が40名(18.6%)であった。1年次のGPAは、大学生活不安尺度の修学意欲因子と大学満足因子、日本語版Grit-s尺度の根気因子、二次元レジリエンス要因尺度の資質的レジリエンス因子と獲得的レジリエンス因子に有意な正の相関がみられた。また、欠席回数、大学生活不安尺度の大学不適応因子には有意な負の相関がみられた。Gritとレジリエンスをそれぞれ合計得点ごとに3群に分け、一要因の分散分析を実施した。GPA得点、欠席回数、大学生活不安尺度の3因子に有意差がみられ、Gritやレジリエンスが高い群において、GPA得点や修学意欲因子、大学満足因子の得点が有意に高く、欠席回数と大学不適応因子の得点が有意に低かった。
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