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[03心-ポ-42]個人競技者の年代別・競技レベル別にみるチームへの帰属意識

*Emi Nakamura1, Unenaka Satoshi1 (1. Hokusho University)
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集団競技においては、パフォーマンスが高いチームの特徴として帰属意識の高さがあげられる(遠藤、2009;スポーツ心理学辞典、2008)など、競技成績と帰属意識の関係についての研究が進められている。一方、多くの個人競技団体でチームとしての目標決めや役割分担などの帰属性を高める取り組みが行われているにも関わらず、個人競技と帰属意識の関係を明らかにした論文は少ない。その理由は、個人での取り組みである日々のフィジカル・スキトレーニングや試合時のパフォーマンス発揮が競技成績に直結するためと考えられる。しかし、帰属意識が関与する動機付けモチベーションの変化や心理的安定が、個人競技におけるパフォーマンス発揮に影響するのではないかと考える。そこで本研究では、個人競技における帰属意識と競成績の関係について明らかにすることを目的とした。中学生・高校生・大学生の陸上競技部員を対象に、部活動への帰属意識と競技成績について、アンケート調査を実施した。まず、各年代別カテゴリーでの帰属意識を調査した結果、中学生と高校生のスコアが大学生よりも優位に高いことが明らかになった。この結果から、中学・高校のカテゴリーでは大学と比較して帰属意識を高める取り組みが行われている可能性が挙げられる大学では各個人の活動として部活動以外の所属コミュニティーが広がり、部活動に対する帰属意識が相対的に低下するのではないかと考える。次に、競技レベル別(地区大会・都道府県大会・全国大会)の帰属意識の変化を検討した。その結果、競技レベル別での帰属意識の高さに差は見られないことが明らかとなった。つまり、帰属意識が個人ではなく部活動全体の雰囲気と関連している可能性が考えられる。今回の調査対象となった学校は限定的であったため、学校ごとの比較ができなかったが、今後対象を増やし、学校の競技レベル別での検討を行う必要がある。

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