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[03心-ポ-44]バーンアウトの発症プロセスにおける競技状態の年代別比較中学生から社会人までを対象として

*Terumi Tanaka1 (1. Surugadai Univ.)
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スポーツ領域のバーンアウトは、発症に至るまでに大きく4つの競技状態(熱中、停滞、固執、消耗)を段階的に辿ると考えられている(中込・岸、1991)。熱中は、充実した競技生活を送れている状態、停滞は、上達を実感できず、競技成績が伸び悩んでいる状態、固執は、競技継続以外の選択肢がないと感じている状態、消耗は、競技への興味や関心が薄れ、心身が疲弊している状態を指す。そして、これらの競技状態は、バーンアウトの発症者に限らず、程度の差はあれどれも誰もが経験し得るものである。そして、これらの経験の程度や各競技状態への適合度は選手の年代により異なることが考えられる。すなわち、各年代で競技が日常生活に占める割合や取り組み方の傾向は異なるため、各競技状態への適合度にも違いが生じる可能性がある。そこで本研究は、中学生から社会人を対象に、年代による各競技状態の適合度の違いを検討することを目的とした。分析対象は、中学生(1007名)、高校生(907名)、大学生(722名)、20~30代の社会人若年層(929名)、40~60代の社会人高年層(918名)であった。4つの競技状態の適合度の評定には「スポーツ選手版バーンアウトプロセス尺度第2版(ABPQ-2)」を用いて、対応のない一要因分散分析により検討した。分析の結果、熱中、停滞、固執、消耗の各競技状態において、年代による適合度の差の有無や傾向に違いがみられた。これらのことから、スポーツ選手の競技状態を測定する際には、年代を考慮した基準の設定や解釈の工夫が求められることが示唆された。

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