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[03心-ポ-52]体育授業における運動技能指導に関する教員の認識運動技能の指導に動作意識は活用されているのか

*Takahiro Nagayama1, Kousuke Takahashi1 (1. Ishinomaki Senshu University)
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ICT機器の普及により映像を活用して運動技能を視覚的に示すこと,学習者が自身の動作を観察しながら学習することが容易になった。しかしながら, ICTを活用した授業では,動作を第3者的に外側から観た映像が用いられることが多く,その映像から体をどのように動かせばよいのか,すなわち動作意識について児童・生徒が理解することは困難である。児童・生徒が経験の少ない運動も扱う体育授業では,動作遂行につながる動作意識についても指導することが望ましい。この問題について現状を把握するために,本研究では,体育授業において教員は動作意識を活用して運動技能を指導しているのか,また運動技能指導において困っていることは何か,運動技能指導に関する教員の認識を明らかにすることを目的とした。調査は,体育授業研究会に参加した教員を対象に実施した。参加者に対してアンケートを配布,調査内容を説明し,参加を承諾した場合のみ回答するように依頼したところ,75名(小学校教員42名,中学校教員33名)から回答が得られた。分析の結果,自身の動作意識を活用している教員は72%(小学校66%,中学校78%)であり,児童・生徒の動作意識を活用している教員は60%(小学校69%,中学校48%)であった。運動技能指導において困っていることで最も多かった記述は,「児童・生徒がイメージを動作遂行に反映できないこと」(16%)で,続いて多かった記述は教員自身が動作を遂行する際の「感覚の表出化」(14%)であった。さらに,「児童・生徒に合わせた言語化」(13%)に悩んでいる記述も多くみられた。以上の結果から,小学校教員,中学校教員は,動作意識を活用して運動技能を指導していると認識しているものの,動作意識の表出化,児童・生徒に合わせた言語化に難しさを感じており,結果的に児童・生徒が動作意識を学習に活用できていない状況にある可能性が示唆された。

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