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[03心-ポ-58]大学新入生における運動習慣が体力に及ぼす直接効果と特性的自己効力感による間接効果

*RYO KONNO1 (1. Meiji Pharmaceutical University)
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本研究の目的は,大学新入生を対象に運動習慣が体力に及ぼす直接効果と特性的自己効力感による間接効果について検討することであった.調査内容は,特性的自己効力感尺度,中学,高校,現在における運動習慣の有無であった.体力測定は,新体力テスト6種目が実施された.分析は,まず全ての項目間について相関係数を算出し,相関が認められた変数において重回帰分析を繰り返し行った.次に,そこで得られた結果から有意なパスを抽出してパスモデルを作成し,共分散構造分析を行った.特性的自己効力感を介した運動習慣と体力の因果モデルは,男女ともに適合度は良好であり,運動習慣から体力に対する直接効果,特性的自己効力感による間接効果,総合効果が確認された.性別にみると体力に対して最も影響を及ぼしていたのは,男子は現在における運動習慣,女子は中学における運動習慣であった.以上より,現在における運動習慣,及び中学における運動習慣が体力に対して直接的に影響を与えていることに加えて,特性的自己効力感を介して間接的にも影響を与えていることが示された.男女ともに特性的自己効力感から体力への直接効果も認められ,体力は運動習慣による影響は大きいものの,特性的自己効力感からも影響を受けていることが明らかになった.大学新入生にとって体育授業に代表される教育的介入は,運動継続や体力を高めることの重要性への気づきを得ることや彼ら自身のGSEが向上する機会となることが期待される.したがって,大学側が新入生に対して体育実技授業の履修や身体を動かすことを主としたクラブやサークル活動への参加や学生が自主的に行う運動・スポーツ活動を促していくような働きかけも重要になるといえる.

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