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[03心-ポ-60]受傷した女子大学生アスリートが期待していたサポートと予測していなかったサポートに関する一考察

*Mitsugu Yasuda1 (1. Yamanashi Gakuin Univ. Faculty of Sport Science)
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アスリートは怪我に伴い、競技意欲が低下し、不安や焦燥感を強めてしまうことや受傷から復帰までの時期によるソーシャルサポート希求(サポート提供者とサポート内容)の違いが明らかにされている(鈴木・中込,2013)。しかし、先行研究は質問紙調査であることから受傷選手の詳細なソーシャルサポート希求を把握できているとは言い難い。そこで本研究では練習試合で1ヶ月程度の怪我を負った大学女子サッカー部に所属しているA選手に対して、受傷から復帰までの各期間(受傷段階(1期)、リハビリテーション段階(2期)、復帰段階(3期))にサポート提供者とサポート内容に関する面接調査を行った。その結果、「A選手が期待していたが、提供されなかったサポート」は、1期では怪我をしていないチームメイトからの励ましや心配の声掛けや身体的サポート、2期ではトレーナーからの疲労度に合わせたリハビリメニューの提供、3期ではトレーナーからの再受傷予防のためのトレーニングメニューの提供であった。「A選手は予測していなかったが、提供されたサポート」は、1期では監督からのポジティブな声掛けや両親からの精神的サポート、2期ではコーチや怪我をしていないチームメイトからの精神的サポートやトレーナーからの怪我の進捗状況説明であった。さらに、1期から3期を通して、同時期に怪我を負ってリハビリに励んでいるチームメイトからの精神的サポートも挙げられた。これら結果は、A選手が自らのコンディションや相談事をトレーナーに気軽に伝えられるチーム雰囲気ではなかったことが考えられ、日頃から周囲の他者とコミュニケーションを密に図ることが望まれる。そして、同時期に怪我を負ってリハビリに励んでいる選手からの激励や尊重してくれる精神的サポートは同じ境遇にある選手として競技復帰に向けた原動力になっていった意味づけがA選手になされたことが推察される。

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