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[03心-ポ-64]大学生アスリートの身体意識と反芻・省察に関する縦断的調査多変量潜在成長モデルを用いた検討

*Ayaka Hori1, Hideaki Takai1, Hidenori Shinohara1, Masahide Saito1 (1. Nippon Sport Science University)
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大学生アスリートにおいて、反芻はストレス反応と正の関連、省察はストレス反応と負の関連が示されており(Yamakoshi and Tsuchiya, 2016)、大学生アスリートの心理的適応には反芻の減弱と省察の促進が有効であると考えられる。反芻や省察は比較的安定した特性で、変容させることは困難であると考えられているが(山越・土屋、2017)、反芻の変容を明らかにした研究もある(Haeffel and Hames, 2014)。本研究では、堀ほか(2024)にデータを追加し、潜在成長モデルを用いて身体意識および反芻、省察の変容および関連を検討した。調査対象者である大学生アスリート74名には、4回の調査を2ヶ月の期間をあけて実施し、Rumination-Reflection Questionnaire日本語版(高野・丹野、2008)、Body Awareness Scale(Fujino, 2012)に回答させた。まず各変数における経時的な得点の変化を検討するため、一要因分散分析を行った。その結果、身体症状と反芻では一部の時期に有意な差が認められ、身体症状や反芻の得点は変容する可能性が示された。次に、身体症状、身体感覚への意識、反芻、省察の変化について潜在成長モデルによって切片と傾きを推定した。その結果、切片と傾きの相関係数は有意ではなかった。この結果を踏まえ、身体症状と反芻、身体感覚への意識と省察の経時的な影響を検討するため、それぞれの切片と傾きとの関連を検討した。その結果、身体症状と反芻では、傾き同士の共分散が有意であり、身体症状の変化量が大きいほど反芻の変化量も大きいことが明らかとなった。以上のことから、身体症状や反芻は変容することが明らかとなり、身体症状への意識が高まるほど反芻が増強する可能性が示された。

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