Presentation Information
[03心-ポ-68]パリ2024大会における村外サポート拠点での心理サポート利用に関する調査
*Kenta Karakida1, Satoshi Tominaga1, Takeru Onishi1, Yasuhisa Tachiya1, Yuki Hongo1 (1. High Performance Sport Center / Japan Institute of Sport Sciences)
日本スポーツ振興センターでは2024パリオリンピック・パラリンピック大会において村外サポート拠点を開設し、選手村外での他分野横断のトータルサポートを行った。本調査では、2024パリオリンピック・パラリンピック大会に出場した選手を対象にアンケート調査を行い、大会期間を通じての心理サポートのニーズと今後の心理サポートへの要望を抽出することを目的とした。調査は2024年10月~2025年1月、パリ2024大会に出場した日本人選手を対象に、Webアンケートを実施した。分析対象は123名(男性61名、女性62名、平均年齢28.70±8.39歳)であった。その結果、大会期間中における心理サポートの利用は8件であった。心理サポートを利用しなかった理由を尋ねたところ、回答者の約6割が「利用する必要がなかった」と回答した。一方で「利用手続きがわからなかった」、「利用できることを知らなかった」や「心理サポートで何をするのか知らなかった」の回答が約2割を占めており、心理サポートの利用方法、サポート内容の周知の不足が明らかとなった。さらに「利用することに抵抗があった」の回答も見られた。心理サポートへの要望の回答においては、大会前からの継続した心理サポートの必要性や大会中に何ができるのかといったサポート内容の周知、また大会終了後の心理サポートの必要性などが挙げられた。加えて、パラ競技においては伴走者など周囲のスタッフへの心理サポートの要望も挙げられた。これらの結果から、平時から心理サポートを継続して行うことの重要性が示された。また、具体的に心理サポートでどのようなサポートが受けられるのかというサポート内容の周知・教育の必要性が示された。心理サポートの認知を広げることで、大会前からの心理サポートに繋がり、選手やチームとの間のラポールを形成することで、大会期間中に必要なサポートが展開できると考えられる。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in
