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[07発-ポ-08]中学生における運動嗜好と体力レベルの関係学年別傾向の検討

*Tomoki Sato1, Hiroki Kido1, Ori Yoshikawa1, Yoshitake Oshima2 (1. Kyoto University of Education Graduate School, 2. Kyoto University of Education)
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近年、子どもの体力低下が社会的な課題として注目されており、とりわけ運動を好まない、いわゆる「運動嫌い」の子どもたちの増加が指摘されている。小学生を対象とした先行研究において、体力レベルが低いグループでは運動有能感、すなわち「自分は運動が得意だ」と感じる感覚が低い傾向が示されている。また、運動有能感が低いことは、運動に対する苦手意識や消極的態度を生む要因ともなり、結果的に体力の低下につながるという悪循環が報告されている。そのため、心理的側面と体力との関係性をより長期的な視点から明らかにすることが求められている。そこで本研究では、中学1年生から3年生までの生徒を対象として、運動嫌いと体力レベルとの関係性を明らかにすることを目的とした。対象は、中学1年生133名、2年生127名、3年生120名とし、新体力テスト(握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、20mシャトルラン、50m走、立ち幅跳び、ハンドボール投げ)実施するとともに、運動に対する好意度を質問紙によって調査した。その結果、運動やスポーツをすることが「嫌い」または「やや嫌い」と回答した生徒の割合は、男子で16%、女子で30%であったことから、特に女子生徒に着目して分析を行った。運動やスポーツをすることが「好き」または「やや好き」と回答した生徒を高嗜好群、「嫌い」または「やや嫌い」と回答した生徒を低嗜好群として分類した結果、1年生では、上体起こし、20mシャトルラン、50m走、ハンドボール投げの4項目において両群間に有意な差が認められた。2年生では、反復横跳び、立ち幅跳びを加えた6項目において、3年生では、全8項目において有意な差が認められた。以上の結果より、運動に対する好き嫌いが学年の進行とともに体力レベルに顕著に表れることが示唆された。

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