Presentation Information

[07発-ポ-15]幼児期における国際交流経験は記憶を通じたSES向上につながるか南アフリカとの身体活動・体験活動を通して

*Yukiho Yamazaki1, Toshio Murayama1, Maho Kabasawa1, Maki Kameoka2 (1. NiigataUniv, 2. Niigata University of Health and Welfare)
PDF DownloadDownload PDF
【背景・目的】
少子高齢化やグローバル化が進行する現代社会において、幼児期からの異文化理解や国際的視野の育成が注目されている。質の高い幼児教育は、言語使用や早期の識字・計算、社会情緒的スキル(SES)など多様な発達と、就学後の学習にも有益とされる。中でも身体活動を含む体験的な国際交流は、幼児の発育や社会性・情動面の育成に資する可能性があるが、その中長期的影響を検討した研究は少ない。本研究では、南アフリカの子どもたちとの交流による身体活動や栽植体験などが、幼児にどのような影響を与えたかを、交流から半年後のインタビューで明らかにすることを目的とした。
【方法】
N市内の4保育園の年長児を対象に、2024年5月~12月にかけて、各園で2回(各回最長60分)の国際交流活動を実施。活動には、野菜の栽植、遊び、絵本の読み聞かせや体操などを含めた。半年後、参加児へインタビューを行い、記憶、印象、異文化理解について分析した。
【結果】
①多くの幼児が「ジェスチャーゲームをした」「野菜を植えた」など、身体を使った体験を具体的に話していた。
②ある園では「教室に地図があったから南アフリカを知っていた」との回答が多く、事前の環境設定の効果が示唆された。
③「楽しかった」と答えた幼児ほど、交流内容を具体的に説明できた。
【考察・結論】
身体活動や体験を伴う国際交流は、半年後も幼児の記憶に残りやすいことが示唆された。また、事前・事後の情報提供や環境設定が体験の理解を深める可能性がある。今後は、発達段階に応じた国際交流プログラムの設計と評価を通じて、SESを含む実践的教育手法の構築が求められる。

Comment

To browse or post comments, you must log in.Log in