Session Details

【オンデマンドシンポジウム4】アウトドア・ヘルスサイエンス ―屋外時間と健康のバランスを考える―

座長:西脇 祐司(東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野)
   川崎  良(大阪大学医学部公衆衛生学)
この文章を書いている時点で、2025年の夏はたいへん暑く、例年以上に厳しい暑さが今後も続くことが予想されます。とはいえ、人の生活は、屋内だけ、あるいは屋外だけで完結するものではありません。一般に、人が屋内で生活・活動する時間は長くなっていますが、過度の屋内生活は、様々な健康リスクに繋がる可能性があります。一方で、過度の屋外生活にも健康への影響、リスクがあることも知られています。眼科疾患を例にとれば、屋外活動による過度の紫外線曝露は白内障の健康リスクになる一方、近年の研究では、屋外時間の増加が近視予防になるとの報告もあります。皮膚には有害となる紫外線も、ビタミンD 生成には必須です。適切な光曝露が睡眠の向上やうつのリスク軽減に関連するという報告もあります。しかしながら、人がどれくらい屋外にいるべきか、という基本的な条件についての知見は少ないのが現状です。そのための研究を行おうとすると、屋外・屋内の判別を正確に実施できるツールも必要です。
 そこで本シンポジウムは、人はどれくらい屋外にいるべきか、についての知見を整理すべく、環境疫学、眼科、睡眠研究、屋外・屋内検知ツール開発の立場の演者に講演をしていただきます。まず、西脇より屋外時間に関する疫学研究の現状と課題について、総論的な話題提供をさせていただきます。羽入田先生には眼科疫学の立場から、屋外時間と眼科疾患の関連の最新のトピックを紹介していただきます。神林先生には、近年研究が進んでいる光曝露と睡眠の関係について解説していただきます。そして、衛藤先生には屋外時間を研究する際に有用となる屋外・屋内の判定ツールの開発について紹介していただきます。4 名の演者がそれぞれの専門的な視点から、屋外活動に関する研究の現状を共有し、今後の課題や社会実装への展望について議論を深めます。屋外で過ごす時間と健康とのバランスについて、皆様と共に考える機会となれば幸いです。「アウトドア・ヘルスサイエンス」という新たな視点から、ぜひ本シンポジウムへの視聴・ご参加をお待ちしております。

Password required to view

[オンデマンドシンポジウム4-1]屋外時間の疫学研究

*Yuji Nishiwaki1 (1. Department of Environmental and Occupational Health, School of Medicine, Toho University)

[オンデマンドシンポジウム4-2]Outdoor Time and Ocular Diseases

*Akiko Hanyuda1,2 (1. Keio University School of Medicine, 2. National Cancer Center)

[オンデマンドシンポジウム4-3]A new medication via SCN for morning awakening difficulties (orthostatic dysregulation, delayed sleep phase syndrome) in young people

*Takashi Kanbayashi1,2, shigeru chiba1,2, tatsuaki ohkubo2, yuriko kouzuki2, shizuko matsumoto2 (1. International Institute for Integrative Sleep Medicine, University of Tsukuba, 2. Ibaraki Prefectural Medical Center of Psychiatry)

[オンデマンドシンポジウム4-4]Smartphoneを用いた屋外・屋内判定アプリの開発

*Norihito Eto1 (1. Tokai Univ.)