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【オンデマンドシンポジウム18】理学療法士・作業療法士による働く世代の健康課題への取り組み

座長:松本 良二(八千代リハビリテーション病院)
   香山 明美(東北文化学園大学、日本作業療法士協会)
我が国は高齢社会となり、また人口減少に伴う労働人口の減少は年々深刻な課題となってきている。一方で、平均寿命は過去最高を更新しており、労働人生が長くなる中で一人ひとりがパフォーマンスを発揮し続けられる社会的方策が求められている。
 働く世代の健康課題には、生活習慣病のリスクや、長時間労働による健康障害、うつ病等メンタルヘルス不調などが挙げられている。これらに対し、多くの自治体や企業がそれぞれの取り組みを進めてきており、事例も報告されている。自治体の保健師等関係職種からは、理学療法士・作業療法士(以下PT・OT)の参画が望まれているが、その数はまだ少ない現状である。
 PTはケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援している。OTは、主に身体又は精神に障害のある者に対し、その人にとって意味ある作業を用いて、その応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図り、その人らしい生活が送れるように支援している。これらの支援のあり方は、高齢者になる前からの生活習慣改善等の一次予防や働く世代のメンタルヘルス不調へも対応できるものである。成人の健康施策である地域職域連携推進事業等にPT・OTが特色を生かして参画していく重要性を痛感しているが、課題がある。
 我々は、働く世代の健康づくりにPT・OTの参画する事例を拡大すべく、事業開始を希望する都道府県PT士会・OT士会へ伴走支援を展開した。伴走支援は、初動時の①活動の到達目標の設定や活動遂行の後押し、②チームの不安やその要因を把握、③活用できる情報の提供、④活動の組み立てについて助言、⑤活動に対する肯定的な評価、⑥活動展開における工夫や実現可能性の検討等を行った。
 本シンポジウムでは、PT・OTが県士会事業として展開した働く世代の健康課題への取り組みを、伴走支援体制を確保しながらモデル的に実施した山口・茨城・静岡の3事例を紹介し、保健師の立場からPT・OTと連携するの有効性を語って頂く。PT・OTによる働く世代への健康づくりの意義とその課題を浮き彫りにし、PT・OTが今後の人口減少、少子高齢社会における保健医療福祉活動に貢献する姿を示したい。

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[オンデマンドシンポジウム18-1]作業分析に基づく職域支援の実践とその効果-理学療法士の新たな役割を探る-

*Hiroshi Mito1 (1. Yamaguchi Physical Therapy Association)

[オンデマンドシンポジウム18-2]地域と職域を繋ぐ!茨城県作業療法士会による健康課題への挑戦

*Yuko Fujita1 (1. Ibaraki Association of Occupational Therapists)

[オンデマンドシンポジウム18-3]Health promotion initiatives for working people by the Shizuoka Physical Therapy Association

*Atsuro Kobayashi1,2 (1. Shizuoka Physical Therapy Association, 2. Juntendo University Shizuoka Hospital)

[オンデマンドシンポジウム18-4]保健師の立場から理学療法士・作業療法士と連携することの有効性

*Miyako Hashimoto1 (1. Hirakata City Public Health Center)