Session Details

【シンポジウム75】全国自治体の有効的な自死対策の取り組み事例

Fri. Oct 31, 2025 1:10 PM - 2:40 PM JST
Fri. Oct 31, 2025 4:10 AM - 5:40 AM UTC
Room 7 (Film Hall)
座長:竹島 正(大正大学地域構想研究所)
   佐々木 那津(東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野)
指定発言者:小出 直史(大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER) 科学情報・公共政策部門 行動経済学ユニット )
自死関連行動は、個人的、社会的、心理的、文化的、生物学的そして環境的因子が互いに絡み合って影響する複雑な現象である(WHO、2014)。
 2024年のシンポジウム「自殺対策基本法制定20周年を振り返る:自殺実態の把握」では、日本で自死対策を加速化するために、どのような対策が求められているのか、自死の実態を把握する上での課題を抽出・整理した。そして、今後の自死対策をより良くするために、(1) 法制度の見直しと多様な関係者による支援体制の構築、(2)専門人材の育成と遺族の政策参画、(3)統計の見かけ上の変化への丁寧な分析、(4)市町村レベルでの自律的な調査研究の推進を提案した。これに続く第二弾として「自治体の有効的な自死対策」を企画した。
 今回のシンポジウムでは、自治体の実践事例を共有し、どのように効果的な自死対策が展開できるのか今後の展望を探る。演者には、馬場優子氏(東京都足立区衛生部)、塚田和広氏(川崎市総合リハビリテーション推進センター)、二宮貴至氏(浜松市精神保健福祉センター)を招き、それぞれの地域での取り組みの歴史経緯、現状、課題、市民参画、国と自治体の役割などについて報告していただく。そして、小出直史氏(大阪大学社会技術共創研究センター)に、自死対策におけるELSI(倫理的・法的・社会的な問題)や当事者参画の視点から発言していただいた後、会場の全国の自治体関係者、研究者らとともに議論する。
 地域の自死対策の活性化には、自治体が、我がこととして、自主性・自立性・独創性を活かして推進すること、それができる環境づくりが必須である。各自治体が、自治の課題として、具体的、創造的に取り組む視点を得ることができるような、透明、公平な、公開の円卓的対話の場となるよう、本シンポジウムを運営したい。
 なお、座長の言葉には、法令などを除いて「自殺」でなく「自死」を用いた。これは自殺総合対策大綱に「自殺は、その多くが追い込まれた末の死である」との認識が示されていること、すなわち、本人の自由意志が制限され、能動性や他行為可能性が欠如した状態で生じる死の一形態として捉えようとする姿勢がうかがえることによる。

[シンポジウム75-2]川崎市の自殺対策について

*Tsukada Kazuhiro (Kawasaki city office)

[シンポジウム75-3]Suicide prevention programs for school communities

*Takashi Ninomiya (Hamamatsu City Mental Health and Welfare Center)