Presentation Information

[SS-2-01]Internationalizing the Curriculum

*TOSHIKI NAKAI1, *Tsunetaka Miyabayashi2 (1. Ehime Univ., 2. Tokyo Metropolitan Univ.)
PDF DownloadDownload PDF

Keywords:

Internationalizing the Curriculum,Components of a Curriculum,Academic Administration

どのようにして大学のカリキュラムの国際化を推進することができるのでしょうか。本セッションでは、カリキュラム編成担当者と教務担当者の視点から論点と課題を提示することで、参加者が所属する大学のカリキュラムの国際化の具体的な方法を検討する機会を提供する。

(1)大学のカリキュラムの構成要素と国際化
 大学におけるカリキュラムは、学問の自由のもとで各大学に大幅な裁量がゆだねられている。学生に留学を義務づけることもできるし、留学を促進するためにある特定の学期に遠隔授業を集中的に配置することもできる。カリキュラムの編成において大きな裁量がゆだねられていることは、編成において考慮すべき内容が多いことを示している。カリキュラムの編成に関わる教職員は、カリキュラムの編成の作業を始める前に、カリキュラムの構成要素を理解し、カリキュラムの全体像を構造的に把握しておくとよい。
 カリキュラムの構成要素は、学習目標、時間区分、授業科目の設定、授業科目の配列、教育方法、評価方法、学生の履修の制御、専攻分野の決定方法、多様なニーズへの対応、学習支援、正課外活動の支援、他機関の教育との連携に分類される(中井編 2022)。カリキュラムの国際化を進めるには、現状のカリキュラムを構成要素ごとに評価して改善点を明らかにできることができる。また、カリキュラムの国際化に向けてどの構成要素を変えるべきなのか、さらにどの構成要素で大学のカリキュラムの国際化の特色を打ち出していくのかを考えることができるであろう。

(2)大学教務の裁量とその活かし方
 大学教育の国際化にとって各大学の教務部門との連携は不可欠であるが、課題を抱えている大学も多い。国際部門から教務部門を眺めてみると、教務の硬直的なルールに壁を感じることがあるようだ。実は、教務にまつわるルールの多くは大学に裁量が与えられており、硬直さの原因は少なくとも法令ではない。では、どうして各大学の教務部門はルールを変えられないのか。①そもそも裁量があることを大学の構成員が理解していない、②教務と国際のスケジュールの違いから生まれるディスコミュニケーション、③組織文化などが影響していると考えられる。さらに、裁量が大きいからといって自由にできるというわけではなく、教務の判断には説明責任を伴う。具体的には④その判断は教育上効果が高いと合理的に説明できるのか、も重要なポイントである。それらを踏まえ、このセッションでは、国際部門と特に関係のある教務における法令上の裁量を整理したのち、教務の判断における説明責任の果たし方、教務部門との連携のコツについて紹介したい。