The 2021 SSJ Fall Meeting

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Oct 14 - Oct 16, 2021オンライン開催
The SSJ Fall Meeting
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[S09-11]Seismic modeling with cellular automata considering competing time constants

〇Kota FUKUDA1, Takahiro HATANO2, Kimihiro MOCHIZUKI1(1.Earthquake Research Institute, The University of Tokyo, 2.Department of Earth and Space Science Osaka University)
従来のセルオートマトンモデルを用いた地震研究では、統計性質に主眼が置かれていた為、点過程に議論が限定されてきた。本研究では、Olami et al.,(1992)によって提案された、GR則を再現するOFCモデルに対し、破壊現象を扱えるような拡張を行った。このモデルでは、最小破壊の時定数を導入することで、モーメントレートの時系列を扱うことができる。さらに、本研究では、この最小破壊の時定数に対する応力蓄積や強度回復の時定数の比をパラメターとする事で、時定数の競合によって生じる、破壊描像と統計性質の変化に注目する。

強度回復や応力蓄積に対し、破壊伝播の遅い現象を表すパラメター領域では、周波数の-1乗に比例したモーメントレートスペクトルが得られ、一方、破壊伝播の速い現象を表すパラメター領域では、自己相似的な破壊と、周波数の-2乗に比例したモーメントレートスペクトルが再現される。また、応力蓄積の時定数に対し強度回復の時定数が大きくなるにつれて、微動や群発地震のような永続的なイベントを発生させるレジームから、GR則を満たす通常地震的なレジーム、繰り返し地震的挙動のレジームへの遷移が生じる。強度回復の時定数の増加は、定性的には塑性から脆性への遷移と捉えることもできる為、脆性領域に近付くことで、通常地震的な挙動や繰り返し地震的な挙動が得られることを意味している。

これらの結果は、スロー地震、群発地震、通常地震、繰り返し地震などの多様な地震活動の特徴が、「時定数の競合」という観点である程度統一的に理解できる可能性を示唆しており、この点について議論する。