Presentation Information
[P06-08]An exploration of a crustal reflector on the Noto Peninsula, Japan
*Takahiro SHIINA1, Yuta AMEZAWA1, Tomohiko NAKAMURA1, Satoru FUKAYAMA1, Haruo HORIKAWA1, Yasunori SAWAKI2, Takahiko UCHIDE1 (1. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 2. Ritsumeikan University)
能登半島周辺では,活断層や地殻内部の不均質構造に対応した複雑な面構造の存在が示唆されている[e.g., Nishimura et al., 2023; Sawaki et al., 2025].例えば,Sawaki et al. [2025]は2024年能登半島地震(Mj 7.6)の余震分布を調べ,半島下に少なくとも5枚の断層面が存在することを指摘した.これらの断層面は2007年能登半島地震(Mj 6.9)の断層面とは一致しない[Sawaki et al., 2025; Shiina et al., 2025].また,2024年能登半島地震の震源位置に近い半島北東端では2020年末ごろから群発的な地震活動が継続していた.同時期の発生が議論されている地殻深部の非地震性すべり[Nishimura et al., 2023]とともに,この群発地震活動は,既存の活断層とは異なる断層面で活動していたとする報告がある[Yoshida et al., 2024].
このように地震発生層およびその深部に存在する面構造は,大規模地震の破壊過程や地震活動そのものを特徴付ける重要な要素の一つである.しかしながら,震源分布などとして面構造の情報が得られる地殻浅部とは異なり,地震が発生する深さよりも深い地殻深部の面構造に関連する観測は乏しく,能登半島周辺を含め,その存在や空間的な特徴はほとんどわかっていない.能登半島の群発地震活動域では,地殻深部に存在する面構造に敏感な波群であるS波後続波(S波反射波)が観測されている[Yoshida et al., 2023].そこで,本研究では,このS波後続波に着目した能登半島全域における後続波励起源(地殻内反射面)の探索を試みた.
本研究では,2002年から2025年2月に能登半島周辺で発生したマグニチュード2.5以上の地震を対象としてS波後続波の検測とその到達時刻の検出を行った.対象地震群には2007年能登半島地震や2024年能登半島地震の余震を含む.S波後続波の検出・検測は,独立ベクトル分析(IVA)[Hiroe, 2006; Kim et al., 2007]による後続波分離性能を検討した雨澤・他 [本大会]を参考に,次の手順で半自動化した;1) IVAを用いて直達S波とそれ以外の波群を分離,2) 直達S波を除いた分離波形から水平動2成分エンベロープを合成,3) エンベロープ振幅のピーク時刻と振幅半値幅を検測.最後に,4) 波形の分離状況やピーク時刻検出時刻を目視により確認し,不適切な検測データを除外した.
現在は,能登半島北東端の群発地震活動域近傍の地震に対して検出・検測されたS波後続波のピーク到達時刻を用いた試験的な解析を行った段階である.解析では,S波後続波をS波反射波と解釈し,Shiina et al. [2024]の手法を用いて矩形反射面として後続波励起源を探索した.また,速度構造は気象庁1次元速度構造モデル[上野・他, 2002]を仮定した.解析の結果,半島北東端の深さ15-25 km付近に地殻内反射面が推定されることを確認した.今後は検測データの精査と拡充を進め,能登半島全域における地殻内反射面の探索を進める予定である.
謝辞:本研究では気象庁,防災科学技術研究所,東京大学地震研究所,および京都大学防災研究所による観測波形記録を使用しました.また,気象庁一元化震源カタログとその検測値を使用しました.本研究は文部科学省の情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト(STAR-Eプロジェクト)JPJ010217の助成を受けたものです.記して感謝いたします.
このように地震発生層およびその深部に存在する面構造は,大規模地震の破壊過程や地震活動そのものを特徴付ける重要な要素の一つである.しかしながら,震源分布などとして面構造の情報が得られる地殻浅部とは異なり,地震が発生する深さよりも深い地殻深部の面構造に関連する観測は乏しく,能登半島周辺を含め,その存在や空間的な特徴はほとんどわかっていない.能登半島の群発地震活動域では,地殻深部に存在する面構造に敏感な波群であるS波後続波(S波反射波)が観測されている[Yoshida et al., 2023].そこで,本研究では,このS波後続波に着目した能登半島全域における後続波励起源(地殻内反射面)の探索を試みた.
本研究では,2002年から2025年2月に能登半島周辺で発生したマグニチュード2.5以上の地震を対象としてS波後続波の検測とその到達時刻の検出を行った.対象地震群には2007年能登半島地震や2024年能登半島地震の余震を含む.S波後続波の検出・検測は,独立ベクトル分析(IVA)[Hiroe, 2006; Kim et al., 2007]による後続波分離性能を検討した雨澤・他 [本大会]を参考に,次の手順で半自動化した;1) IVAを用いて直達S波とそれ以外の波群を分離,2) 直達S波を除いた分離波形から水平動2成分エンベロープを合成,3) エンベロープ振幅のピーク時刻と振幅半値幅を検測.最後に,4) 波形の分離状況やピーク時刻検出時刻を目視により確認し,不適切な検測データを除外した.
現在は,能登半島北東端の群発地震活動域近傍の地震に対して検出・検測されたS波後続波のピーク到達時刻を用いた試験的な解析を行った段階である.解析では,S波後続波をS波反射波と解釈し,Shiina et al. [2024]の手法を用いて矩形反射面として後続波励起源を探索した.また,速度構造は気象庁1次元速度構造モデル[上野・他, 2002]を仮定した.解析の結果,半島北東端の深さ15-25 km付近に地殻内反射面が推定されることを確認した.今後は検測データの精査と拡充を進め,能登半島全域における地殻内反射面の探索を進める予定である.
謝辞:本研究では気象庁,防災科学技術研究所,東京大学地震研究所,および京都大学防災研究所による観測波形記録を使用しました.また,気象庁一元化震源カタログとその検測値を使用しました.本研究は文部科学省の情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト(STAR-Eプロジェクト)JPJ010217の助成を受けたものです.記して感謝いたします.
