Presentation Information
[P06-14]Structual Variations of the Shallow Oceanic Crust around the Minamitorishima
*Yuzuru Kaneko1, Kazuo Nakahigashi1, Mikiya Yamashita2, Koichi Iijima3 (1. Tokyo University of Marine Science and Technology , 2. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology , 3. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)
南鳥島は東京都小笠原村に属する日本最東端の島であり、国内で唯一太平洋プレートの上に存在する島である。南鳥島周辺を含む北西太平洋の海底年代は1億6千万年前と解釈されており、古い海洋プレートが存在している(平野・他, 2019)。古い海洋プレートを調査することはプレートの生成・変遷過程を知ることに寄与する。これまで北西太平洋の地下構造を探査した研究は多くある(e.g., Ohira et al., 2017; Kaneda et al., 2010 )。北西太平洋の浅部構造の特徴として、堆積層は200-400 mと非常に薄いことが特徴である(Ohira et al., 2017)。これは水深が深いこと、堆積物の供給源が周りにないことに起因していると考えられている(Kanazawa et al., 2001)。また遠用性粘土層はおよそ130 mほどの層厚を持っていることがDSDP Site 307で採取されたコアから明らかになっている。しかし、これまでは南鳥島近傍の浅部構造の把握を目的とした研究は少なく、モホ面などの深部構造を探査する調査が多いため詳細な浅部の堆積層分布が明らかになっていない。また近年では、南鳥島近海で高濃度レアアース泥の発見やCCSの候補地としても期待が高まっているため、その構造把握は重要である。そこで本研究では、南鳥島近傍の浅部海洋地殻構造をターゲットに堆積層の分布や遠洋性粘土層の空間分布を詳細に把握することを目的とする。
本研究では、2015年に海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」を用いて実施された航海MR15-E01 leg3で行われた反射法地震探査システム(MCS)を使用した。MCSのデータは7測線あり、南鳥島の北部で4測線と南部で3測線である。解析の主な処理はジオメトリーの設定、シングルトレース、バンドパスフィルタ、NMO、一定速度解析、CMP重合、キルヒホッフ時間マイグレーション、トップミュートである。解析したデータに海洋基盤をトレースし、解釈線を引いた。7測線全てを解釈することで空間的な海洋基盤の構造変化を明らかにした。解析の結果、全ての測線で海洋基盤が8 s (TWT:往復走時) 付近に存在する傾向があった。北部側の4測線では海山のような起伏の目立つ反射断面となっており、起伏の高まる周辺では部分的に海洋基盤が7.8 s (TWT) の浅い部分に位置していることがわかった。南部の測線では、比較的大きな断層が存在しており、断層を境に海洋基盤の位置が大きく変化していた。また、北部と同様に海山の周辺では一部海洋基盤の高まりがみられた。海洋基盤面よりも上層を堆積層と解釈し、その層厚は厚いところで約500 msec (TWT)、薄いところで約100 msec (TWT) で堆積していた。反射断面に透明層としてみられる堆積物は遠洋性粘土層と解釈しており、これは北部側に多く堆積していた。遠洋性粘土層の空間分布を見ると、東側で約250 msec (TWT) の層厚を持って堆積しており、西側に行くほど堆積する量は減り、その層厚は約50 msec (TWT) であった。
これまでの研究では南鳥島周辺の浅部構造において堆積層厚や遠洋性粘土層の議論が少なかったが、今回の解析により堆積層厚は約100 msec (TWT) から500 msec (TWT) で堆積していること明らかになった。シャツキー海台南東部の堆積層厚も約350 msec (TWT) である(Ohira et al., 2017)ことから先行研究と整合的である。南鳥島北部では起伏の激しい反射断面が見られることから海山が存在していることがわかり、古い海洋底の形成後に新しい火成活動があったことを示している。このことはこれまでの研究の海洋底形成後に火成活動があったという研究結果とも整合的である。また、南鳥島周辺の地磁気異常図(石原・他, 2021)と比較しても島よりも北部側で地磁気の縞模様が乱れており海山の新しい活動が活発だったことを示している。南鳥島南部では海山の形成よりも断層の形成が比較的多く見えた。また、堆積層厚は海山や断層の形成により大きく変化している様子が見られた。さらに、海洋地殻の上面から堆積層にかけて断層が走る様子から海洋底形成後も何かしらの力が働いて断層を形成した可能性が高い。遠洋性粘土層については島の南部より北部側で多く堆積しており、堆積速度が島の南北で異なることを示していると考える。今回の解析により、これまで研究が少なかった南鳥島周辺の浅部海洋地殻の構造と堆積層構造の変化について明らかにすることができた。
謝辞:本研究において解析したデータ取得を行っていただきました、MR15-E01 leg3航海の芥川船長をはじめ他乗組員の皆様、観測技術員の皆様、航海に関わったすべての皆様に感謝を申し上げます。反射法断面図を作成する上で解析するソフトを提供頂いた、株式会社地球科学総合研究所の皆様に深く御礼申し上げます。
本研究では、2015年に海洋研究開発機構の海洋地球研究船「みらい」を用いて実施された航海MR15-E01 leg3で行われた反射法地震探査システム(MCS)を使用した。MCSのデータは7測線あり、南鳥島の北部で4測線と南部で3測線である。解析の主な処理はジオメトリーの設定、シングルトレース、バンドパスフィルタ、NMO、一定速度解析、CMP重合、キルヒホッフ時間マイグレーション、トップミュートである。解析したデータに海洋基盤をトレースし、解釈線を引いた。7測線全てを解釈することで空間的な海洋基盤の構造変化を明らかにした。解析の結果、全ての測線で海洋基盤が8 s (TWT:往復走時) 付近に存在する傾向があった。北部側の4測線では海山のような起伏の目立つ反射断面となっており、起伏の高まる周辺では部分的に海洋基盤が7.8 s (TWT) の浅い部分に位置していることがわかった。南部の測線では、比較的大きな断層が存在しており、断層を境に海洋基盤の位置が大きく変化していた。また、北部と同様に海山の周辺では一部海洋基盤の高まりがみられた。海洋基盤面よりも上層を堆積層と解釈し、その層厚は厚いところで約500 msec (TWT)、薄いところで約100 msec (TWT) で堆積していた。反射断面に透明層としてみられる堆積物は遠洋性粘土層と解釈しており、これは北部側に多く堆積していた。遠洋性粘土層の空間分布を見ると、東側で約250 msec (TWT) の層厚を持って堆積しており、西側に行くほど堆積する量は減り、その層厚は約50 msec (TWT) であった。
これまでの研究では南鳥島周辺の浅部構造において堆積層厚や遠洋性粘土層の議論が少なかったが、今回の解析により堆積層厚は約100 msec (TWT) から500 msec (TWT) で堆積していること明らかになった。シャツキー海台南東部の堆積層厚も約350 msec (TWT) である(Ohira et al., 2017)ことから先行研究と整合的である。南鳥島北部では起伏の激しい反射断面が見られることから海山が存在していることがわかり、古い海洋底の形成後に新しい火成活動があったことを示している。このことはこれまでの研究の海洋底形成後に火成活動があったという研究結果とも整合的である。また、南鳥島周辺の地磁気異常図(石原・他, 2021)と比較しても島よりも北部側で地磁気の縞模様が乱れており海山の新しい活動が活発だったことを示している。南鳥島南部では海山の形成よりも断層の形成が比較的多く見えた。また、堆積層厚は海山や断層の形成により大きく変化している様子が見られた。さらに、海洋地殻の上面から堆積層にかけて断層が走る様子から海洋底形成後も何かしらの力が働いて断層を形成した可能性が高い。遠洋性粘土層については島の南部より北部側で多く堆積しており、堆積速度が島の南北で異なることを示していると考える。今回の解析により、これまで研究が少なかった南鳥島周辺の浅部海洋地殻の構造と堆積層構造の変化について明らかにすることができた。
謝辞:本研究において解析したデータ取得を行っていただきました、MR15-E01 leg3航海の芥川船長をはじめ他乗組員の皆様、観測技術員の皆様、航海に関わったすべての皆様に感謝を申し上げます。反射法断面図を作成する上で解析するソフトを提供頂いた、株式会社地球科学総合研究所の皆様に深く御礼申し上げます。
