Presentation Information

[P06-15]Crust thickness of the Japanese Islands recognized in travel time residuals of nuclear tests by North Korea

*Akio KATSUMATA1 (1. University of Toyama)
PDF DownloadDownload PDF
1. はじめに
 北朝鮮はこれまで6回の核実験を実施してきた.核実験は人工地震としては規模が大きく,日本列島全域において検知可能である.また核実験の震源パラメーターについて詳細に調査した結果があり,ユーラシア大陸と日本列島の間の絶対的な走時がわかり,構造解析として貴重なデータとなっている.

2. 方法と結果
 防災科学技術研究所のHi-netの地震波形記録から,北朝鮮核実験の着震時刻を自動的に読み取り,その走時残差の特徴について調査した.震源については,Yang et al. (2021)を参照した.JMA2001(上野・他, 2002)に基づく走時残差を図に示す.図の下部のグラフの横軸は地図上の距離である.
 走時残差は-5秒に達している.これは観測された走時はJMA2001の速度構造よりも5%早いことに対応している.日本海岸における走時残差はW字のように変化している.これは日本海下の平均的な速度差を反映している可能性がある.
 観測された着震時は,日本海側においては早く日本列島を横切る間に次第に遅く着震するようになっている.これは日本列島の地殻の厚さの変化を反映している可能性がある.中国地方では四国に至るまで早い着震となっている.これは中国地方において地殻が薄いことを示している可能性がある.それに対し東北地方では早い走時が次第に遅くなっている.
 日本列島を横切る際の走時残差の変化が最も激しいのは中部日本である.これは中部日本において地殻の厚さ変化が大きいことを示していると考えられる.Katsumata (2010)においてもMatsubara et al. (2017)においても最も厚い地殻が推定されているのは,山梨県付近の中部日本である.図の走時残差の分布をみると,中部日本における構造変化はかなり大きいと見られる.このような速度構造異常を生み出した要因としては,伊豆小笠原弧の日本列島への衝突の可能性が考えられる.

謝辞
本調査には防災科学技術研究所のHi-netの地震波形記録を使用させて頂いた.