Presentation Information
[P08-03]Source spectrum of a short-term slow slip event
*Akio KATSUMATA1, Kazuki Miyaoka2, Takahiro Tsuyuki3, Satoshi Itaba4, Masayuki Tanaka3, Takeo Ito5, Akiteru Takamori6, Akito Araya6 (1. University of Toyama, 2. Japan Meteorological Agency, 3. Meteorological Research Institute, JMA, 4. AIST, 5. Nagoya Univ., 6. ERI, Univ. of Tokyo)
1. はじめに
短期的スロースリップ発生中には,テクトニック微動や超低周波地震活動が活発化する.これはテクトニック微動や超低周波地震は短期的スロースリップと同じ現象の異なる周波数帯域の観測現象であることを示唆している.そこで,短期的スロースリップとテクトニック微動の地震モーメントの直接的比較を試みた.
2. 方法
短期的スロースリップについては,気象庁・産総研のボアホール多成分ひずみ計のデータおよびレーザーひずみ計のデータを使用した.ひずみデータは気象庁によるスロースリップの断層パラメーターを参照してスタッキング(宮岡・横田, 2012)した値を用いた.スタッキング処理において、S/Nを向上させると同時に,ひずみを地震モーメントに換算した.
テクトニック微動については,防災科学技術研究所のHi-netのデータを用いて推定した.微動データは変位振幅に変換した上で1-10Hzの帯域通過フィルターにより処理し,瞬時振幅に変換して積分した.変位振幅はモーメントレートに比例するはずなので、その積分値は短期的スロースリップ発生中の該当周波数帯域の地震モーメント量に相当した値になると考えられる.変位の積分値をモーメントに変換する係数を,武尾(1986)による方法で計算した理論波形から計算した。理論波形に対して観測波形と同様の処理(帯域通過フィルター,瞬時振幅への変換,積分)を施して地震モーメントへの変換係数を求めた.
3. 結果
図に結果を示す.(a)スロースリップの断層モデルとHinet観測点分布(赤い円が使用した観測点位置を表す),(b)スタック処理後のひずみデータから求めた地震モーメント変化,(c)(b)を時間微分して求めたスロースリップのモーメントレート,(d)(c)のモーメントレートの幅1時間の時間窓を用いた移動平均,(e)(c)から求めたスロースリップのスペクトル振幅と微動のモーメントレート(赤横線).(b)〜(d)の縦の赤線は短期的スロースリップの発生期間を示し,(e)のスペクトルはこのスロースリップ発生期間中のものである.(c)においてはスロースリップ発生中は特に認められないが,移動平均をとった(d)においてはスロースリップ発生中の振幅の変化が認められる.(e)のスペクトル振幅の10-5〜10-2Hzの平坦な部分はノイズとみられる.スロースリップのスペクトルレベルと微動のスペクトルレベルの差は103程度である.一般的な地震の震源スペクトルはω-2モデルがよくあてはまっていることが知られている.(e)の緑破線は周波数について0.5乗の減衰を示す.短期的スロースリップはω-0.5程度の高域減衰特性を持っているとみられる.
謝辞
気象庁・産総研のボアホールひずみ計データ、防災科学技術研究所のHi-net地震波形記録を使用した.
短期的スロースリップ発生中には,テクトニック微動や超低周波地震活動が活発化する.これはテクトニック微動や超低周波地震は短期的スロースリップと同じ現象の異なる周波数帯域の観測現象であることを示唆している.そこで,短期的スロースリップとテクトニック微動の地震モーメントの直接的比較を試みた.
2. 方法
短期的スロースリップについては,気象庁・産総研のボアホール多成分ひずみ計のデータおよびレーザーひずみ計のデータを使用した.ひずみデータは気象庁によるスロースリップの断層パラメーターを参照してスタッキング(宮岡・横田, 2012)した値を用いた.スタッキング処理において、S/Nを向上させると同時に,ひずみを地震モーメントに換算した.
テクトニック微動については,防災科学技術研究所のHi-netのデータを用いて推定した.微動データは変位振幅に変換した上で1-10Hzの帯域通過フィルターにより処理し,瞬時振幅に変換して積分した.変位振幅はモーメントレートに比例するはずなので、その積分値は短期的スロースリップ発生中の該当周波数帯域の地震モーメント量に相当した値になると考えられる.変位の積分値をモーメントに変換する係数を,武尾(1986)による方法で計算した理論波形から計算した。理論波形に対して観測波形と同様の処理(帯域通過フィルター,瞬時振幅への変換,積分)を施して地震モーメントへの変換係数を求めた.
3. 結果
図に結果を示す.(a)スロースリップの断層モデルとHinet観測点分布(赤い円が使用した観測点位置を表す),(b)スタック処理後のひずみデータから求めた地震モーメント変化,(c)(b)を時間微分して求めたスロースリップのモーメントレート,(d)(c)のモーメントレートの幅1時間の時間窓を用いた移動平均,(e)(c)から求めたスロースリップのスペクトル振幅と微動のモーメントレート(赤横線).(b)〜(d)の縦の赤線は短期的スロースリップの発生期間を示し,(e)のスペクトルはこのスロースリップ発生期間中のものである.(c)においてはスロースリップ発生中は特に認められないが,移動平均をとった(d)においてはスロースリップ発生中の振幅の変化が認められる.(e)のスペクトル振幅の10-5〜10-2Hzの平坦な部分はノイズとみられる.スロースリップのスペクトルレベルと微動のスペクトルレベルの差は103程度である.一般的な地震の震源スペクトルはω-2モデルがよくあてはまっていることが知られている.(e)の緑破線は周波数について0.5乗の減衰を示す.短期的スロースリップはω-0.5程度の高域減衰特性を持っているとみられる.
謝辞
気象庁・産総研のボアホールひずみ計データ、防災科学技術研究所のHi-net地震波形記録を使用した.

