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[P08-10]Relationship between static stress drop of aftershocks and the coseismic slip of the 2024 Noto-Hanto Earthquake (M7.6)

*Koki Sato1, Yoshihiro Hiramatsu1, Tomomi Okada2, Keisuke Yoshida2, Ryota Takagi2, Shin’ichi Sakai3, Eiji Kurashimo3, Kentaro Emoto4, Satoshi Matsumoto4, Yoshiko Yamanaka5, Kei Katsumata6, Kazutoshi Miyazawa7, Takuto Maeda8, Motoko Ishise9, Kazutoshi Imanishi10, Takahiro Shiina10 (1. Kanazawa University, 2. Tohoku University, 3. University of Tokyo, 4. Kyushu University, 5. Nagoya University, 6. Hokkaido University, 7. Kyoto University, 8. Hirosaki University, 9. Yamagata University, 10. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology)
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1. はじめに
 能登半島北東部の地震活動は2018年から地震の増加が見られ、2020年12月ごろから活発化した(e.g. Amezawa et al., 2024)。そして最大の地震となるM7.6、最大震度7の令和6年能登半島地震が2024年1月1日に発生し、約150kmの範囲で余震活動が継続している。
 地震の静的応力降下量は断層の摩擦特性やせん断強度などの物理的特性の指標として有効であり、群発地震における流体圧の時空間変動(例えば、Yamada et al., 2015; Yoshida et al., 2019; Fukuoka et al., 2024)や本震時のすべり量との比較によるせん断強度の空間分布(例えば、Allmann and Shearer, 2007; Yamada et al., 2010; Uchide et al., 2014; Urano et al., 2015; Yamada et al. 2021)が報告されている。
 本研究では、令和6年能登半島地震(M7.6)後に実施された臨時観測点および定常観測点で得られたデータを用いて余震の静的応力降下量を推定し、本震の地震時すべりとの関係から断層の物理的特性を明らかにすることを目的とする。
2. データと解析方法
 本研究の解析期間は2024年1月1日16:10~2024年3月15日であり、静的応力降下量の解析対象とする地震は令和6年能登半島地震(M7.6)の余震のうちM3.5以上の地震である。これらの条件を満たす地震を気象庁一元化震源データに基づき選定した。解析に使用する地震波形データは、能登半島地震合同余震観測グループ、気象庁、防災科学技術研究所Hi-net、東京大学、京都大学の地震観測点で記録されたものである。
 静的応力降下の推定には経験的グリーン関数法を使用した(例えば、Yamada et al., 2021)。本研究では、Fukuoka et al. (2024)を参考に、EGF地震(経験的グリーン関数地震)選定の条件をTEQ地震(解析対象地震)との震源距離が1 km以下であること、マグニチュード差が0.5以上であることとし、この条件を満たす地震の波形を経験的グリーン関数として使用した。
 解析はFukuoka et al. (2024)と同様の手順で行なった。S波の水平2成分の波形のフーリエ変換により速度スペクトルを計算し、解析対象地震とEGF地震の速度スペクトルの比を求めた。その際、3つの時間窓についてスペクトル比を計算した(Imanishi and Ellsworth, 2006)。3つの時間窓から計算されたスペクトル比とω2モデルに基づく理論スペクトル比との残差二乗和を最小にする放射パターン係数と地震モーメントの積、およびコーナー周波数をグリッドサーチを用いて推定した。最後に、解析対象地震の地震モーメントの値として、F-netのCMT解で求められている地震についてはその値を使用し、それ以外はMJMAがMwと等しいと仮定してMJMAから地震モーメントの値を推定(Hanks and Kanamori, 1979)した上で、推定されたコーナー周波数から応力降下量を計算した(Madariaga, 1976)。各解析対象地震について、応力降下量が推定された全観測点の対数平均をとり、その地震の応力降下量および推定誤差を求めた。
3. 結果と考察
 本研究の解析期間において、解析条件を満たすEGF地震を持つTEQ地震は204個あり、そのうち62個の地震で静的応力降下量が適切に推定された。62個の地震の静的応力降下量の対数平均は17.2 MPaであり、この値は能登半島北東部の群発地震の静的応力降下量を調べたFukuoka et al.(2024)で報告された値(19 MPa)とほぼ同じである。本研究で得られた静的応力降下量の空間分布と全球測位衛星システム(GNSS)と合成開口レーダー(SAR)のデータから推定されたすべり分布(Yamada et al., 2025)の比較を行った。高い静的応力降下量を持つTEQ地震は、高すべり域の周囲に分布する傾向が見られた。これは本震時にすべり量が相対的に小さかった領域で応力集中が起き、余震の静的応力降下量が高くなった可能性が考えられる。
4. 謝辞
 本研究では気象庁一元化震源データ、能登半島合同余震観測グループ、防災科学技術研究所Hi-net 及びF-net、東京大学、京都大学の地震波形データを使用しました。また、本研究の実施にあたっては、科学研究費補助金(特別研究促進費23K17482)「2023年5月5日の地震を含む能登半島北東部陸海域で継続する地震と災害の総合調査」を使用しました。記して感謝いたします。