Presentation Information
[P09-06]Seismic activity off Vancouver Island in the northern Cascadia subduction zone from seafloor observations
*Koichiro OBANA1, Hajime Shiobara2, Hiroko Sugioka3, Tsutomu Takahashi1, Michael Riedel5, Dietrich Lange5, Tianhaozhe Sun4, Andrew Schaeffer4, Karen Douglas4, Michelle Côté4, Tiegan Hobbs4, Cooper Stacey4, Kelin Wang4, Martin Heesemann 6, Martin Scherwath6, Jesse Hutchinson6 (1. JAMSTEC, 2. ERI, Univ. of Tokyo, 3. Kobe University, 4. Geological Survey of Canada, 5. GEOMAR Helmholtz Centre for Ocean Research Kiel, 6. Ocean Networks Canada)
北米太平洋岸のカスカディア沈み込み帯では、北米プレート下へのJuan de Fucaプレートの沈み込みに伴い、1700年に発生したM9の地震(Satake et al. 2003)を始め、巨大地震が繰り返し発生してきたことが知られている。1700年の地震の震源域北端に位置する、カナダ・バンクーバ島沖南部では、海底地震計(OBS)による観測でも、通常の地震活動はほとんど見られず(Obana et al., 2015)、海底掘削孔内での地震・地殻変動観測(McGuire et al. 2018)でも、「スロー地震」も観測されていない。一方で、横ずれ断層であるNootka Fault (NTF)を境に、Juan de Fucaプレートと接しているExplorerプレートが北米プレートの下に沈み込んでいるバンクーバー島沖北部の地震活動は南部に比べると活発である。地殻変動データなどからは、Exploreプレートと北米プレートが一定程度固着しており、大地震や、それにともなう津波の可能性が指摘されている(e.g., Gao et al. 2017)。しかしながら、バンクーバー島沖北部では、これまで海域の地震観測は十分行われていない。
カスカディア沈み込み帯北端部に位置するバンクーバー島沖の地殻構造や地震活動は、巨大地震震源域の広がりを想定する上で重要な情報である。2022年9月から10月に行われた、ドイツ調査船R/V SonneによるSO294航海では、バンクーバー島沖南部海域におけるプレート境界浅部の歪み蓄積解放過程の実態把握を狙い、「普通の地震」や「スロー地震」と異なる「速いスロー地震」(Fukao et al. 2021)の検知も可能となるよう、OBS(短周期9台、広帯域6台)と海底圧力計(OBP6台)のアレイをOcean Networks Canada (ONC)によるケーブル式の海底観測点の周囲に設置した。また、バンクーバー島沖北部においては、Canada National Seismograph Network (CNSN)による陸上観測点と合わせた解析による詳細な震源分布の把握を目的に、短周期OBS11台を設置した。OBSとOBPの回収はカナダ沿岸警備隊の調査船R/V John P. Tullyにより、2023年6月から7月(OBS)ならびに2024年7月(OBP)に行った。なお、OBP2台が未回収となったが、うち1台については、ONCの協力のもと2024年10月にROVにより回収した。
OBSで得られたデータについては、Canada National Seismograph Network (CNSN)ならびにONCによる定常観測データと統合したデータセットを作成し、CNSNカタログで報告されている地震について再検測を行うとともに、SeisBench (Woollam et al. 2022)を使用して、PhaseNet (Zhu and Beroza 2019)による自動検測とPyOcto (Münchmeyer, 2024)による検測値取りまとめ(Phase association)を行った。これらにより得られた検測値について、hypomh (Hirata and Matsu’ura, 1987)を用いて震源を決定した。得られた結果からは、バンクーバ島沖南部では、これまでの観測と同様に地震活動がほとんど見られない。一方、北部では、NTFに沿った活発な地震活動に加え、NTFからBrooks半島にかけての領域でDeformation frontから陸側の地震活動が見られる。今後、自動検測により得られたイベントについても波形を確認し、より詳細な震源分布について検討を行う予定である。
謝辞:本研究はJSPS科学研究費JP23K22609の助成を受けたものです。
カスカディア沈み込み帯北端部に位置するバンクーバー島沖の地殻構造や地震活動は、巨大地震震源域の広がりを想定する上で重要な情報である。2022年9月から10月に行われた、ドイツ調査船R/V SonneによるSO294航海では、バンクーバー島沖南部海域におけるプレート境界浅部の歪み蓄積解放過程の実態把握を狙い、「普通の地震」や「スロー地震」と異なる「速いスロー地震」(Fukao et al. 2021)の検知も可能となるよう、OBS(短周期9台、広帯域6台)と海底圧力計(OBP6台)のアレイをOcean Networks Canada (ONC)によるケーブル式の海底観測点の周囲に設置した。また、バンクーバー島沖北部においては、Canada National Seismograph Network (CNSN)による陸上観測点と合わせた解析による詳細な震源分布の把握を目的に、短周期OBS11台を設置した。OBSとOBPの回収はカナダ沿岸警備隊の調査船R/V John P. Tullyにより、2023年6月から7月(OBS)ならびに2024年7月(OBP)に行った。なお、OBP2台が未回収となったが、うち1台については、ONCの協力のもと2024年10月にROVにより回収した。
OBSで得られたデータについては、Canada National Seismograph Network (CNSN)ならびにONCによる定常観測データと統合したデータセットを作成し、CNSNカタログで報告されている地震について再検測を行うとともに、SeisBench (Woollam et al. 2022)を使用して、PhaseNet (Zhu and Beroza 2019)による自動検測とPyOcto (Münchmeyer, 2024)による検測値取りまとめ(Phase association)を行った。これらにより得られた検測値について、hypomh (Hirata and Matsu’ura, 1987)を用いて震源を決定した。得られた結果からは、バンクーバ島沖南部では、これまでの観測と同様に地震活動がほとんど見られない。一方、北部では、NTFに沿った活発な地震活動に加え、NTFからBrooks半島にかけての領域でDeformation frontから陸側の地震活動が見られる。今後、自動検測により得られたイベントについても波形を確認し、より詳細な震源分布について検討を行う予定である。
謝辞:本研究はJSPS科学研究費JP23K22609の助成を受けたものです。
