Presentation Information
[P17-03]Tsunami source responsible for paleotsunami deposit in Sado Island, eastern margin of the Japan Sea
*Hidetoshi Masuda1, Masaki Iida1, Daisuke Sugawara2, Takashi Ishizawa2, Yasuhiro Takashimizu3, Atsushi Urabe4, Takeyoshi Sadakane5 (1. Department of Earth Science, Tohoku University, 2. International Research Institute of Disaster Science (IRIDeS), Tohoku University, 3. Faculty of Education, Niigata University, 4. Research Institute of Natural Hazards and Disaster Recovery, Niigata University, 5. Sado City Government)
日本海東縁部には海底活断層が集中して分布しており,大地震やそれに伴う津波がしばしば発生してきた.令和6年(2024年)能登半島地震では,能登半島北西沖から富山トラフ西縁に至る一連の海底活断層が破壊してMw 7.5の大地震を引き起こすとともに,津波が発生して主に石川県から新潟県にかけ影響を与えた.このような大地震の再来間隔は数千年におよぶため,地震津波履歴を理解するには変動地形や津波堆積物などの古地震学的調査が必要である.我々は,2020年から2023年に行った調査により,佐渡島羽茂地区で津波堆積物の可能性があるイベント砂層を見出した.放射性炭素年代測定によれば,このイベント砂層の堆積年代は約4000年前である.本研究では,津波土砂移動数値計算と現地データの比較に基づき,この砂層を形成した津波イベントの波源を推定する.
検討対象としたのは,「日本海における大規模地震に関する調査検討会」により設定された矩形断層モデルのうち佐渡島周辺に位置する13の断層モデル(F32–F45)と,新潟県独自モデル(角田・弥彦断層),および津波波形・痕跡高から推定した2024年能登半島地震の断層モデルである.なお,地形モデルは堆積物から推察される古環境をもとに古地形を復元したものを用いた.最初に,各断層から羽茂地区への影響を大まかに見積もるために,羽茂沖での最大津波波高を計算した.このとき,羽茂沖での波高1.5 mを閾値とし,それを超えた5つの断層モデルについて,羽茂地区における津波土砂移動数値計算を行った.その結果,F42(富山トラフ西縁断層)により生じた津波のみが浜堤を越流し,顕著に厚い砂層を後背に形成した.この断層からの津波は佐渡南方沖に位置する小木海脚の影響を受けて屈折し,羽茂地域に集中する.計算上の堆積層厚は現地で確認された砂層には及ばないが,数値解析上の不確実性を考えると,富山トラフ西縁断層が最も現実的な波源であると判断される.約4000年前のイベントにおいて西方延長にあたる能登半島北岸断層帯と連動したか否かを明らかにするためには,広域にわたり古地震の地質学・地形学的痕跡の対比を図る必要がある.
検討対象としたのは,「日本海における大規模地震に関する調査検討会」により設定された矩形断層モデルのうち佐渡島周辺に位置する13の断層モデル(F32–F45)と,新潟県独自モデル(角田・弥彦断層),および津波波形・痕跡高から推定した2024年能登半島地震の断層モデルである.なお,地形モデルは堆積物から推察される古環境をもとに古地形を復元したものを用いた.最初に,各断層から羽茂地区への影響を大まかに見積もるために,羽茂沖での最大津波波高を計算した.このとき,羽茂沖での波高1.5 mを閾値とし,それを超えた5つの断層モデルについて,羽茂地区における津波土砂移動数値計算を行った.その結果,F42(富山トラフ西縁断層)により生じた津波のみが浜堤を越流し,顕著に厚い砂層を後背に形成した.この断層からの津波は佐渡南方沖に位置する小木海脚の影響を受けて屈折し,羽茂地域に集中する.計算上の堆積層厚は現地で確認された砂層には及ばないが,数値解析上の不確実性を考えると,富山トラフ西縁断層が最も現実的な波源であると判断される.約4000年前のイベントにおいて西方延長にあたる能登半島北岸断層帯と連動したか否かを明らかにするためには,広域にわたり古地震の地質学・地形学的痕跡の対比を図る必要がある.
