Presentation Information
[P17-04]Linear Tsunami Inversion for Fault Estimation of the 2024 Hualien, Taiwan Earthquake
*Shota Amo1, Toshitaka Baba1 (1. Tokushima University)
2024年4月2日23:58(UTC)、台湾花蓮県沿岸でM7.4の地震が発生した。この地震により沖縄地方には津波警報が発令され、与那国島久部良で27 cm、石垣島石垣港で17 cmの津波が観測された。本地震は東傾斜断層と西傾斜断層が関与した複雑な破壊とされ、測地データ解析では東傾斜単独、西傾斜単独のモデルでも観測を再現可能であるが、複合断層モデルの方がより適切に説明できると報告されている(Cheloni et al., 2024)。また、測地・地震波データの統合解析では、東傾斜断層の破壊から約6秒後に西傾斜断層が破壊した可能性も指摘されている(Liu et al., 2024)。このように本地震の破壊過程は議論の余地がある。津波波形データを用いた破壊過程の詳細推定はいまのところ実施されていない。
そこで本研究では、2024年台湾花蓮地震を対象に、①東傾斜単独モデル、②西傾斜単独モデル、③東・西傾斜複合モデルの3パターンを設定し、線形津波インバージョンを実施することで本地震の断層すべり分布を推定する。断層パラメータはUSGSのCMT解に基づき、上端深さが約1 kmとなるよう調整した。東傾斜モデルでは断層面106 km × 106 kmを24 km × 24 kmの小断層に16分割し、西傾斜モデルでは断層面120 km × 120 kmを30 km × 30 kmの小断層に16分割した。複合モデルでは両者を組み合わせ、32個の小断層を利用した。津波の数値計算では線形長波式を差分法で解いた。計算に必要な地形データには27秒(GEBCO)・9秒・3秒(GtTM)格子による3層ネスティングを施した。津波波形データは第一波を鮮明に観測した検潮所4点とDART観測点1点を用い、DARTで観測された津波波形データにはインバージョンの際に20倍の重みを付与した。線形インバージョンには非負制限付きリッジ回帰を適用し、再現精度はRMSEで評価した。さらに、k-分割交差検証により全観測点を合算した平均RMSEが最小となるハイパーパラメータλを決定した。
解析の結果、先行研究と同様に単独モデルでも観測津波波形の再現は可能であったが、複合モデルではより高精度な再現性を示した。推定された断層モデルと非線形長波式による計算で、インバージョン解析に利用しなかった後続波および最大振幅も良好に再現された。また滑り分布は、東傾斜モデルで震源北側に最大約2.5 m、西傾斜モデルで震源北西側に最大約3 m、複合モデルで震源北側に最大約5 mの滑りが推定された。
そこで本研究では、2024年台湾花蓮地震を対象に、①東傾斜単独モデル、②西傾斜単独モデル、③東・西傾斜複合モデルの3パターンを設定し、線形津波インバージョンを実施することで本地震の断層すべり分布を推定する。断層パラメータはUSGSのCMT解に基づき、上端深さが約1 kmとなるよう調整した。東傾斜モデルでは断層面106 km × 106 kmを24 km × 24 kmの小断層に16分割し、西傾斜モデルでは断層面120 km × 120 kmを30 km × 30 kmの小断層に16分割した。複合モデルでは両者を組み合わせ、32個の小断層を利用した。津波の数値計算では線形長波式を差分法で解いた。計算に必要な地形データには27秒(GEBCO)・9秒・3秒(GtTM)格子による3層ネスティングを施した。津波波形データは第一波を鮮明に観測した検潮所4点とDART観測点1点を用い、DARTで観測された津波波形データにはインバージョンの際に20倍の重みを付与した。線形インバージョンには非負制限付きリッジ回帰を適用し、再現精度はRMSEで評価した。さらに、k-分割交差検証により全観測点を合算した平均RMSEが最小となるハイパーパラメータλを決定した。
解析の結果、先行研究と同様に単独モデルでも観測津波波形の再現は可能であったが、複合モデルではより高精度な再現性を示した。推定された断層モデルと非線形長波式による計算で、インバージョン解析に利用しなかった後続波および最大振幅も良好に再現された。また滑り分布は、東傾斜モデルで震源北側に最大約2.5 m、西傾斜モデルで震源北西側に最大約3 m、複合モデルで震源北側に最大約5 mの滑りが推定された。
