Presentation Information
[P17-06]Verification of Early Forecasts for the 2010 Chile Tsunami Using Tide Gauge Records along the Japanese Coast
*Koichiro Motoi1, Toshitaka Baba1 (1. Tokushima Univ.)
2010年2月27日に発生したM8.8のチリ地震では、巨大な津波が発生し,太平洋を横断して日本沿岸にも到達した.日本では津波警報が発表され,沿岸地域において避難が呼びかけられた.実際の津波の到達時間は予測の約20~30分後であった.このずれは,当時の気象庁の津波予報データベースにおける遠地津波に関する情報が不足していたこと,遠距離を伝播する津波の特性に関する知見が十分ではなかったためである.
その後の研究により,地球の弾性変形を考慮することで,観測された津波と計算津波の到着時刻のずれは解消された.さらに,遠地津波は到達までに十分な時間があることから,近年の計算技術の進歩を活用すれば,地震発生後の数値シミュレーションにより即時予測が可能であると考えられる.
そこで本研究では,遠地津波の即時予測を念頭において津波計算精度を評価する.つまり,断層推定の即時解の誤差を考慮して構築した断層モデルと最新の津波計算技術を用いて,観測された遠地津波波形をどこまで再現できるかを検証する.対象津波は2010年チリ地震による津波として,日本の検潮所で観測された津波波形データと比較した.即時予測を対象とするため,断層モデルの作成には地震後の詳細解析で得られる断層すべり分布モデルではなく,単純なUSGSのモーメントテンソル解を用いた.断層スケーリング則により断層の面積と平均すべり量を決定した.その結果,2010年チリ地震(Mw8.8)の断層長さは444㎞,幅は222㎞となり,断層位置は震源が断層の中心となるように設定した.設定した断層を10個の小断層(長さ88.8㎞×幅111㎞)に分割し,アスペリティを考慮した13種類の断層モデルを構築した.それぞれのモデルについて津波の計算を実施した.津波の計算には,地球の弾性の効果を考慮した非線形分散波式を用いた.数値津波計算の領域は太平洋全体とし,時間ステップ幅は0.1秒,ライズタイムは30秒とした.積分時間は30時間とし,地形データには,81秒角,27秒角,9秒角を用いた3層ネスティングを採用した.観測点は日本の検潮所32地点を対象とした.
解析の結果,シミュレーションで予測された到達時刻は5分から10分程度観測波形よりも早く,最大津波高は観測波形の 0.5倍から2倍程度の予測となり,予想よりも予測誤差が大きかった.さらに,断層モデル構築に使った地震の即時解にも誤差が含まれていることを考慮するとさらに予測幅が大きくなる.このことから,マグニチュードや断層のすべり分布の特定は遠地津波の即時予測を行う上で重要な要素である.
その後の研究により,地球の弾性変形を考慮することで,観測された津波と計算津波の到着時刻のずれは解消された.さらに,遠地津波は到達までに十分な時間があることから,近年の計算技術の進歩を活用すれば,地震発生後の数値シミュレーションにより即時予測が可能であると考えられる.
そこで本研究では,遠地津波の即時予測を念頭において津波計算精度を評価する.つまり,断層推定の即時解の誤差を考慮して構築した断層モデルと最新の津波計算技術を用いて,観測された遠地津波波形をどこまで再現できるかを検証する.対象津波は2010年チリ地震による津波として,日本の検潮所で観測された津波波形データと比較した.即時予測を対象とするため,断層モデルの作成には地震後の詳細解析で得られる断層すべり分布モデルではなく,単純なUSGSのモーメントテンソル解を用いた.断層スケーリング則により断層の面積と平均すべり量を決定した.その結果,2010年チリ地震(Mw8.8)の断層長さは444㎞,幅は222㎞となり,断層位置は震源が断層の中心となるように設定した.設定した断層を10個の小断層(長さ88.8㎞×幅111㎞)に分割し,アスペリティを考慮した13種類の断層モデルを構築した.それぞれのモデルについて津波の計算を実施した.津波の計算には,地球の弾性の効果を考慮した非線形分散波式を用いた.数値津波計算の領域は太平洋全体とし,時間ステップ幅は0.1秒,ライズタイムは30秒とした.積分時間は30時間とし,地形データには,81秒角,27秒角,9秒角を用いた3層ネスティングを採用した.観測点は日本の検潮所32地点を対象とした.
解析の結果,シミュレーションで予測された到達時刻は5分から10分程度観測波形よりも早く,最大津波高は観測波形の 0.5倍から2倍程度の予測となり,予想よりも予測誤差が大きかった.さらに,断層モデル構築に使った地震の即時解にも誤差が含まれていることを考慮するとさらに予測幅が大きくなる.このことから,マグニチュードや断層のすべり分布の特定は遠地津波の即時予測を行う上で重要な要素である.
