Presentation Information
[P18-04]Efforts of Local Government Research Institution for Improving General Public's Disaster Literacy (Part 2)
*Ryou HONDA1, Kei Odawara1, Yuki Abe1, Tatsuya Ishiyama2, Hiroe Miyake2, Makoto Matsubara3, Nobuyuki Morikawa3 (1. Hot Springs Research Institute, 2. Earthquake Research Institute, University of Tokyo, 3. National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience)
文部科学省では、令和5年度より3か年計画で「三浦半島活断層群(主部/武山断層帯)における重点的な調査観測」(研究代表者:東京大学地震研究所 石山達也准教授、参画機関:東京大学地震研究所、防災科学技術研究所、神奈川県温泉地学研究所)を実施しており、温泉地学研究所はサブテーマ4「地域連携勉強会」を主として担当している。令和7年度は、7月に三浦半島活断層調査会と共同で一般向けの勉強会を実施し、さらに8月に教員向けの勉強会を実施した。本講演ではその内容について報告する。
(1)一般県民を対象とした地域連携勉強会の実施令和7年7月6日に横須賀市自然・人文博物館において、一般向けの地域連携勉強会を実施した。この勉強会は、横須賀・三浦地域を中心に活動する「三浦半島活断層調査会」の創立30周年特別講演会に相乗りさせていただく形で実施した。三浦半島活断層調査会は、阪神淡路大震災を契機に結成された市民団体で、定期的に三浦半島の活断層の見学や調査、講演会などを実施している。今年は創立30周年ということで、活断層について広く市民の方々に知っていただくという観点から、本事業の勉強会を担当している温泉地学研究所が後援する形をとって、最新の調査結果を報告する時間をいただいた。会場はほぼ満席で、立ち見のお客さんもでる盛況ぶりであった。
(2)教育関係者を対象としたアンケートおよび勉強会の実施一般向けの勉強会は、参加者の平均年齢が高くなりがちであるが、地震や防災についてなるべく若い世代に興味をもってもらうことが重要である。特に専門用語の理解が難しい小学生・中学生については、教育現場で話をする機会の多い先生方に地震についての知識を持ってもらう必要がある。令和7年度は教育関係者むけの勉強会も企画したが、それにさきだって教育現場のニーズを捉える必要があった。そこで、小中学校の先生を対象に防災教育の現場における活断層や地震防災に対する認識や研究者に対するニーズ調査を行った。方法は、神奈川県教職員組合に協力を依頼し、同組合のメーリングリストを利用して、主に三浦半島やその周辺市町に勤務する教員に向けてアンケートのお願いを配布した。回答はGoogleフォームによって収集した。アンケートの回答期間は2025年7月~8月、回答数は557名であった。
回答者の勤務地は藤沢市(178名)、茅ケ崎市(160名)、鎌倉市(112名)、横須賀市(38名)の順に多かった。所属は小学校が458名、中学校が89名、その他(養護学校等)が10名であった。役職は、教諭が430名、総括教諭が80名、養護教諭が21名、その他(事務等)が26名であった。専門とする教科については、小学校教員は「なし」または「無回答」が多く、中学校教員では理科(34名)が最も多かった。アンケートの質問内容は次の4つを設定した。「設問1:回答者の属性に関する質問」「設問2:地震・活断層についての基礎知識を問う設問」「設問3:地震防災教育についての現状を問う設問」「設問4:本事業についての設問」。以下に主な設問とその回答傾向を示す。
(設問2-1)活断層の定義を知っていますか?回答:正確に理解しているは1割弱。単語だけ知っているまたは知らないが3割。
(設問3-1) 生徒・児童に地震や活断層の話をする機会はありますか。(複数回答可)回答:無いが半数。訓練で4割、授業では2割程度。
(設問3-4)実際の地震防災教育を進める上でアドバイザー(研究者)が必要と思いますか。回答:思う、検討してみたいで7割。
(設問4-1)本事業で実施する研究・調査について、地震に備えるうえで特に重要と考えられるものは何ですか?(複数回答可)回答:揺れの予測、活断層の位置、マグニチュード、繰り返し間隔の順に多い。
(設問4-4)そのほか地震防災教育を実施するうえで、情報発信や調査結果の提供の仕方などについて、研究者に希望することはありますか?ご自由にお書きください。回答:自治体や教育委員会等にしっかりと情報提供を。教職員夏季研修に入れてほしい。授業の相談、出前授業。わかりやすい教材(動画、スライドデータなど)の発信。
本アンケートの結果では、正確に地震や活断層を理解し、授業等に取り入れている教員が約1割程度であるのに対して、全く知らないとの回答が約3割であった。研究者をアドバイザーとして必要(検討したいを含む)との回答が約7割であり、ニーズは確実に存在すると思われる。そのニーズは、教員向けの勉強会だけではなく、わかりやすい教材や資料とそれらへの簡単なアクセス方法が知りたいという傾向が見て取れる。どのような形で我々研究者が教育現場に情報を発信し、現場の教員と連携を取って子どもたちへの地震防災教育に繋げていくかを実践するために、2025年8月末に教職員向けの地域連携勉強会の開催を予定している。本講演ではその結果についても概報したい。
(1)一般県民を対象とした地域連携勉強会の実施令和7年7月6日に横須賀市自然・人文博物館において、一般向けの地域連携勉強会を実施した。この勉強会は、横須賀・三浦地域を中心に活動する「三浦半島活断層調査会」の創立30周年特別講演会に相乗りさせていただく形で実施した。三浦半島活断層調査会は、阪神淡路大震災を契機に結成された市民団体で、定期的に三浦半島の活断層の見学や調査、講演会などを実施している。今年は創立30周年ということで、活断層について広く市民の方々に知っていただくという観点から、本事業の勉強会を担当している温泉地学研究所が後援する形をとって、最新の調査結果を報告する時間をいただいた。会場はほぼ満席で、立ち見のお客さんもでる盛況ぶりであった。
(2)教育関係者を対象としたアンケートおよび勉強会の実施一般向けの勉強会は、参加者の平均年齢が高くなりがちであるが、地震や防災についてなるべく若い世代に興味をもってもらうことが重要である。特に専門用語の理解が難しい小学生・中学生については、教育現場で話をする機会の多い先生方に地震についての知識を持ってもらう必要がある。令和7年度は教育関係者むけの勉強会も企画したが、それにさきだって教育現場のニーズを捉える必要があった。そこで、小中学校の先生を対象に防災教育の現場における活断層や地震防災に対する認識や研究者に対するニーズ調査を行った。方法は、神奈川県教職員組合に協力を依頼し、同組合のメーリングリストを利用して、主に三浦半島やその周辺市町に勤務する教員に向けてアンケートのお願いを配布した。回答はGoogleフォームによって収集した。アンケートの回答期間は2025年7月~8月、回答数は557名であった。
回答者の勤務地は藤沢市(178名)、茅ケ崎市(160名)、鎌倉市(112名)、横須賀市(38名)の順に多かった。所属は小学校が458名、中学校が89名、その他(養護学校等)が10名であった。役職は、教諭が430名、総括教諭が80名、養護教諭が21名、その他(事務等)が26名であった。専門とする教科については、小学校教員は「なし」または「無回答」が多く、中学校教員では理科(34名)が最も多かった。アンケートの質問内容は次の4つを設定した。「設問1:回答者の属性に関する質問」「設問2:地震・活断層についての基礎知識を問う設問」「設問3:地震防災教育についての現状を問う設問」「設問4:本事業についての設問」。以下に主な設問とその回答傾向を示す。
(設問2-1)活断層の定義を知っていますか?回答:正確に理解しているは1割弱。単語だけ知っているまたは知らないが3割。
(設問3-1) 生徒・児童に地震や活断層の話をする機会はありますか。(複数回答可)回答:無いが半数。訓練で4割、授業では2割程度。
(設問3-4)実際の地震防災教育を進める上でアドバイザー(研究者)が必要と思いますか。回答:思う、検討してみたいで7割。
(設問4-1)本事業で実施する研究・調査について、地震に備えるうえで特に重要と考えられるものは何ですか?(複数回答可)回答:揺れの予測、活断層の位置、マグニチュード、繰り返し間隔の順に多い。
(設問4-4)そのほか地震防災教育を実施するうえで、情報発信や調査結果の提供の仕方などについて、研究者に希望することはありますか?ご自由にお書きください。回答:自治体や教育委員会等にしっかりと情報提供を。教職員夏季研修に入れてほしい。授業の相談、出前授業。わかりやすい教材(動画、スライドデータなど)の発信。
本アンケートの結果では、正確に地震や活断層を理解し、授業等に取り入れている教員が約1割程度であるのに対して、全く知らないとの回答が約3割であった。研究者をアドバイザーとして必要(検討したいを含む)との回答が約7割であり、ニーズは確実に存在すると思われる。そのニーズは、教員向けの勉強会だけではなく、わかりやすい教材や資料とそれらへの簡単なアクセス方法が知りたいという傾向が見て取れる。どのような形で我々研究者が教育現場に情報を発信し、現場の教員と連携を取って子どもたちへの地震防災教育に繋げていくかを実践するために、2025年8月末に教職員向けの地域連携勉強会の開催を予定している。本講演ではその結果についても概報したい。
