Presentation Information

[P19-03]Relathionship between building damage and estimated seismic intensity etc in the 2024 Noto Peninsula earthquake

*Naokazu Monma1, Shohei Naito1, Hiromitsu Nakamura1, Hiroyuki Kuramoto1 (1. National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience)
PDF DownloadDownload PDF
1.はじめに
令和6年1月1日16時10分に石川県能登地方を震源とするマグニチュード7.6の地震が発生し,石川県志賀町,穴水町,輪島市では震度7が観測された.この地震により,広域にわたる強震動や液状化,地すべり,火災が発生し,多数の人的被害が発生した.内藤・門馬(2025)1)は,能登半島における強震観測点・震度計周辺を対象に,複数地点で建物被害調査を行い,建物被害率と計測震度及び最大速度(PGV)の関係を解析し、旧耐震建物が新耐震建物に比して被害率が高く、いずれも震度及び最大速度に応じて被害率が高くなると報告している。本研究は、広域における建物被害データを基に、広域な建物被害と推定震度、推定最大速度や推定最大加速度との関係を検討した。ここで、検討に用いた広域の建物被害データは、輪島市、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科及び防災科学技術研究所(以下、防災科研)の連携協力協定に基づいて、輪島市から提供頂いた。推定震度等のデータは、防災科研のリアルタイム地震被害推定・状況把握システム(以下、J-RISQと呼ぶ)のデータである。
2.構造別全壊建物と推定震度の関係
輪島市から提供頂いた被害建物のポイントデータ(XY座標値)にJ-RISQの250mメッシュ推定震度を、ArcGISProのインターセクト解析ツールを用いて付加し、構造別全壊建物と推定震度の関係を検討した。検討結果から、旧耐震の構造別全壊建物と推定震度の関係をみると、推定震度の中央値が最も低いのが土造の推定震度5.8で、次いで木造の5.9であり、非木造は土造及び木造よりも6.1~6.3と高い値となっている。また、新耐震の構造別全壊建物と計測震度の関係をみると、木造と土造の計測震度の中央値は6.0と近似する値であり、非木造も旧耐震のように土造及び木造よりも高い値ではなく、ほぼ5.9~6.1で近似している。 次に、木造全壊建物について、旧耐震、新耐震1及び新耐震2に3区分し、推定震度の関係を検討した。検討結果から、耐震基準別の推定震度をみると、平均値では旧耐震が5.9、新耐震1と新耐震2は6.0であり、旧耐震が新耐震1と新耐震2より低くい。一方、中央値でみると、旧耐震、新耐震1及び新耐震2はともに6.0と近似した値となっている。
3.木造全壊率と推定震度等の関係
次に、建物被害データから木造全壊建物を抽出し、そのポイントデータを用いて、250mメッシュに棟数を集計し、ArcGISProを用いてJ-RISQ250m建物データと空間結合させ木造全壊率(=木造全壊棟数/木造棟数)を算出し、算出した木造全壊率と推定震度、推定最大速度(PGV)及び推定最大速度(PGA)の関係を検討した。検討結果から、木造全壊率と推定震度の関係をみると、旧耐震の全壊率は新耐震に比べて高く、また、必ずしも明瞭ではないが全壊率は推定震度に応じて高くなる傾向を示している。木造全壊率と推定最大速度の関係をみると、旧耐震の全壊率は新耐震に比べて高く、また、明瞭ではないが全壊率は推定最大速度に応じて高くなる傾向を示している。旧耐震の全壊率は新耐震に比べて高く、全壊率は推定震度や最大速度に比べて、推定最大加速度に応じて高くなる傾向が明瞭である。 内藤・門馬(2025)1)は、輪島市、珠洲市、七尾市、志賀町、能登町及び穴水町を対象に、地震後に撮影された航空写真判読から、木造建物の被害を倒壊、損傷及び無被害に3区分しており、この判読結果から250mメッシュの倒壊率を算出し、倒壊率と計測震度の関係を検討した。検討結果から、推定震度が大きくなると倒壊率も高くなる傾向がある。輪島市から提供頂いた建物被害資料を基に,広域における建物被害と推定震度等との関係を検討した。今後は、さらに他の自治体からの被害資料を基に解析を進める予定である。また、貴重な資料を提供して頂いた輪島市に、ここに深謝する。
引用文献1)内藤昌平・門馬直一:現地調査及び航空写真判読に基づく令和6年能登半島地震における建物被害調査、防災科学技術研究所主要災害調査、第62号、2025年7月