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[P22-07]Automatic Extraction of Later Phase in S coda by Independent Vector Analysis

*Yuta AMEZAWA1, Tomohiko Nakamura2, Satoru Fukayama2, Takahiro Shiina1, Takahiko Uchide1 (1. Geological Survey of Japan, AIST, 2. Artificial Intelligence Research Center, AIST)
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地殻内の不均質構造を明らかにすることは、地殻内の地震発生メカニズムを理解するために重要である。地殻内の流体に富む領域などの物質境界は、地震波に対して強い速度コントラストとして作用し、入射した地震波を強く反射・散乱する場合がある。これらの反射・散乱波は、後続波としてコーダ波中に観測される。近年の多点稠密な地震観測網の発達により、大量の地震波形データが日々蓄積されている。その中の後続波の情報を活用することで、その発生源を詳細に調査することが可能となる。そのためには、後続波の検出と到達時刻推定の自動化が不可欠である。

これまでに我々は、Sコーダ波中に観測されるS波後続波の自動検出を目的とした深層学習モデルを開発し実データに適用してきた(Amezawa et al., in prep.)。その次の段階として、本研究ではS波とS波後続波の両方を含む地震波形からS波後続波のみを自動抽出し、その到達時刻を求める手法の開発を目的とする。

S波後続波の抽出にあたって、音源分離技術としてマルチチャネル音響信号処理分野で標準的に用いられる独立ベクトル分析(IVA : Independent Vector Analysis)(Hiroe, Proc. ICA, 2006;Kim et al., IEEE Trans. ASLP, 2007)を適用した。IVAは信号の混合過程や信号源に関する事前情報を必要とせず、混合信号から混合前の信号をそれぞれの統計的独立性に基づき分離する手法である。IVAでは、信号源が統計的に独立していること、混合系が時間的に不変であること、信号源数がセンサー数以下であることを主に仮定し、観測された混合信号に対する分離系(混合系の逆系)を最尤法で反復的に求める。

本手法では、Hi-net観測点において記録された水平2成分の速度波形記録を入力として、S波とS波後続波の混合信号に対してIVAによる信号分離を実施した。この状況は、2つの信号源(震源およびS波後続波励起源)の信号による混合信号が、2つのセンサー(地震計の水平動2成分)で観測されたものと見なせる。分離された2つの信号に対しS波検測値をもとにS波到達時刻周辺の振幅を比較し、振幅が小さい方をS波後続波として識別した。このようにして抽出されたS波後続波について、水平動2成分の合成エンベロープの最大振幅の到達時刻をS波後続波の到達時刻として自動検測する。

本手法を、日本内陸の複数地域においてS波とS波後続波を含む速度波形記録に適用したところ、良好に機能することを確認した。本手法により、S波後続波を自動的に抽出することが可能になり、到来時刻や継続時間、卓越スペクトルなどの特徴を抽出することが可能になったことで、S波後続波発生源としての地殻内不均質構造についてより高度な知見が得られることが期待される。

謝辞:本研究では、防災科学技術研究所Hi-netによる観測波形記録、気象庁一元化震源カタログ、気象庁による手動検測値を使用しました。本研究は文部科学省の情報科学を活用した地震調査研究プロジェクト(STAR-Eプロジェクト)JPJ010217の助成を受けたものです。記して感謝いたします。