Presentation Information
[P23-03]Determination of Focal Mechanisms of a Deep Earthquake Swarm in Northern Yamaguchi Prefecture
*Kazutoshi IMANISHI1, Yuta Amezawa1, Masatoshi Miyazawa2, Tomoaki Nishikawa2, Takuya Nishimura2, Airi Nagaoka2, Rintaro Miyamachi2, Shiro Ohmi2 (1. Geological Survey of Japan, AIST, 2. DPRI, Kyoto University)
2025年2月から、山口県北部の深さ25〜35 km付近で、水平方向に約10 km四方の範囲に広がる群発的な地震活動が発生している。半年間で2000イベントを超える地震が発生し、これまでの最大規模は6月2日に発生した気象庁マグニチュード(Mj)2.3である。日本列島の陸域で発生する地震は通常、深さ15~20 km以浅の上部地殻に限られるため、この活動は明らかに異常に深い場所で発生している。気象庁カタログにおいても、同領域で地震活動が確認された例はこれまで存在しなかった。本研究では、このような深部群発活動の発生要因を解明するための基礎情報として、この地震群のメカニズム解を求めた。
解析には定常観測網の地震波形データに加え、4月28日以降は京都大学防災研究所が活動域直上に設置した臨時観測点のデータも活用した。Mj1.3以上の地震について、初動走時とP波初動極性を全て目視で検測し、P波初動極性に加えてP波およびSH波の振幅値も併せて用いてメカニズム解を決定した。その結果、3月8日から8月8日の間に発生した100イベントについてメカニズム解を推定することができた。この地域の上部地殻では、西北西―東南東にP軸を持つ横ずれ型が卓越している。しかし、この群発地震では、正断層型から横ずれ型、逆断層型まで多様な断層タイプが発生しており、P軸およびT軸方位にも大きなばらつきがみられる。約10kmという空間スケールで多様なタイプの地震が発生するのは、極めて稀な事例と言える。
多様なタイプの地震が起きていても、均一の応力場で説明できるケースもある(例えば、Beroza and Zoback, 1993)。そこで、Michael (1984)の方法を用いて応力テンソルインバージョンを行い、この活動が均一応力場で説明可能かを検証した。領域を細かく区分した解析も行ったが、いずれの場合もミスフィット角の平均値は大きく、均一応力場では説明が困難であることが明らかとなった。多様な断層タイプの地震が一連の活動として発生するためには、応力場の局所的な変化や摩擦の低下をもたらす流体の関与が不可欠であると考えられる。
謝辞:防災科研Hi-netと気象庁の波形データ、気象庁一元化カタログを使用しました。記して感謝いたします。
参考文献
Beroza, G. C. & Zoback, M. D. (1993) Mechanism diversity of the Loma Prieta aftershocks and the mechanics of mainshock-aftershock interaction, Science, 259, 210–213.
Michael, A. J. (1984) Determination of stress from slip data: faults and folds, J. Geophys. Res., 89, 11517–11526.
地震調査委員会(2025)2025年7月の地震活動の評価, https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2025/2025_07.pdf
解析には定常観測網の地震波形データに加え、4月28日以降は京都大学防災研究所が活動域直上に設置した臨時観測点のデータも活用した。Mj1.3以上の地震について、初動走時とP波初動極性を全て目視で検測し、P波初動極性に加えてP波およびSH波の振幅値も併せて用いてメカニズム解を決定した。その結果、3月8日から8月8日の間に発生した100イベントについてメカニズム解を推定することができた。この地域の上部地殻では、西北西―東南東にP軸を持つ横ずれ型が卓越している。しかし、この群発地震では、正断層型から横ずれ型、逆断層型まで多様な断層タイプが発生しており、P軸およびT軸方位にも大きなばらつきがみられる。約10kmという空間スケールで多様なタイプの地震が発生するのは、極めて稀な事例と言える。
多様なタイプの地震が起きていても、均一の応力場で説明できるケースもある(例えば、Beroza and Zoback, 1993)。そこで、Michael (1984)の方法を用いて応力テンソルインバージョンを行い、この活動が均一応力場で説明可能かを検証した。領域を細かく区分した解析も行ったが、いずれの場合もミスフィット角の平均値は大きく、均一応力場では説明が困難であることが明らかとなった。多様な断層タイプの地震が一連の活動として発生するためには、応力場の局所的な変化や摩擦の低下をもたらす流体の関与が不可欠であると考えられる。
謝辞:防災科研Hi-netと気象庁の波形データ、気象庁一元化カタログを使用しました。記して感謝いたします。
参考文献
Beroza, G. C. & Zoback, M. D. (1993) Mechanism diversity of the Loma Prieta aftershocks and the mechanics of mainshock-aftershock interaction, Science, 259, 210–213.
Michael, A. J. (1984) Determination of stress from slip data: faults and folds, J. Geophys. Res., 89, 11517–11526.
地震調査委員会(2025)2025年7月の地震活動の評価, https://www.static.jishin.go.jp/resource/monthly/2025/2025_07.pdf
