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[S02-03]Strain seismic waveforms recorded by GSJ’s borehole strainmeters and validity of their calibration in seismic frequency band

*Suguru YABE1, Kazutoshi Imanishi1, Norio Matsumoto1, Satoshi Itaba1 (1. Geological Survey of Japan, AISTogical)
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産業技術総合研究所 地質調査総合センター(GSJ)では,西南日本における歪観測網の整備を進めている.600m程度の観測井の孔底に石井式歪計を設置し,4方向以上の水平軸歪と鉛直歪を観測している.その歪観測データは,これまで主にスロースリップイベントのモニタリングに活用されてきた.これらのデータは20Hzのサンプリング周波数で記録されており,地震波の帯域(300秒より高周波)においても有用な地震動記録を取得できることが知られている. 観測装置と岩盤が持つ弾性の違いにより,歪観測データの利用には原位置キャリブレーションと呼ばれる操作が必要である.このキャリブレーションには通常,既知の歪変化として潮汐が用いられる.本研究では,歪観測データを地震波解析に利用するための基礎的検討として,潮汐帯域でのキャリブレーションが地震波帯域でも有効かを検証した.具体的には,GSJの歪計に記録された遠地地震の表面波に着目し,モーメントテンソル解に基づいて計算された理論歪波形や近傍のF-net観測点で得られた並進成分との比較を行った.等方均質半無限弾性体においては,遠地地震レイリー波の歪波形は並進波形と比例する性質を持つ.120~333秒の長周期地震動を用いた比較の結果,両者の波形は良く一致した.鉛直歪については同波形を用いてキャリブレーションを実施し,潮汐を用いたキャリブレーション結果と概ね一致することを確認した.さらに,遠地地震レイリー波の歪成分間や歪と並進成分との振幅比スペクトルは,10-300秒の帯域において,周波数に依存しない一定の比を示した.これらの結果から,潮汐を用いたキャリブレーションを施したGSJの歪観測データは,10-333秒の帯域における広帯域地震計として地震波解析に利用可能であることが示された.その実証例として,2016/04/01に南海トラフで発生したMw5.9の地震について,理論的な歪成分波形を計算し,20-50秒の帯域において観測波形との一致を確認した. GSJの歪観測点においては,歪計の埋設された観測井に隣接した観測井において,Hi-netと同型のボアホール型地震計・加速度計が設置されており,比較的大きな地震動においては並進成分と歪成分(水平3成分+鉛直1成分)の同時観測が可能であり,極めて貴重なデータセットを提供している.歪の放射パターンは並進成分とは異なる特徴を持つため,歪観測データを並進成分と統合して解析することで,新たな震源過程や地下構造の情報を抽出できる可能性がある.今後はこうした歪データの地震波解析への利活用をさらに進めていく必要がある.