Presentation Information

[S03-05]Months-long slow slip events in the shallow region of the Suruga Trough

*Yuta MITSUI1, Yuji KIKUCHI2, Masayuki KANO3 (1. Faculty of Science, Shizuoka University, 2. Graduate School of Integrated Science and Technology, Shizuka University, 3. Graduate School of Science, Tohoku University)
PDF DownloadDownload PDF
南海トラフ沈み込み帯では、全球測位衛星システム(GNSS)データなどに基づき、固着域より深部で多くの短期的スロースリップイベント(S-SSEs)と長期的スロースリップイベント(L-SSEs)が検出されてきた。近年、深部S-SSEsより長く、L-SSEsより短い継続期間をもつスロースリップイベント(SSEs)が、特に南海トラフ中央部の紀伊半島沖・海溝付近で報告されている(e.g., Araki et al., 2017; Yokota and Ishikawa, 2020)。

本研究(Kikuchi et al., 2025, PEPS)では、国土地理院のGNSSデータを用い、南海トラフ東端に位置する駿河トラフ浅部で同様のSSEが発生しているかを調査した。最初に、駿河トラフにおける上盤プレートと下盤プレート間のGNSS基線長変化を解析した。基線長短縮の時期を特定するため、まずGNSS基線長時系列を速度に変換した。次に、基線長短縮を表すテンプレート関数と基線長データとの相関係数の時間変化を算出し、基線長短縮速度とも比較した。その結果、2019年後半に駿河湾西岸沿いの複数観測点で、数か月間にわたる系統的な東向き変位が検出された。代表値として、継続期間約118日と推定された。

ハミルトニアンモンテカルロ法による断層すべりのベイズ逆解析を行ったところ、御前崎沖の深さ約10 km以浅のプレート境界で10 mmオーダーのすべりが推定された。仮定した3種類のプレート境界モデルでモーメントマグニチュードMwはほぼ一致し、約5.5~5.6であった。加えて、このSSEの時期には、より深部での小繰り返し地震活動(Igarashi, 2020)が活発化していたことも確認された。さらに、検出基準を緩和し、より小規模なSSEの可能性を考慮すると、同種のイベントが約500日間隔で発生していたことが示唆された。