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[S03-08]Crustal deformation in western Suruga-bay measured by GNSS-A seafloor observation using portable towed buoy system

*Ryoya IKUTA1, Yasushi Harada2, Keizo Sayanagi2, Keiichi Tadokoro3 (1. Faculty of Science, Shizuoka University, 2. Institute of Oceanic Research and Development, Tokai University, 3. Graduate School of Environmental Science, Nagoya University)
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駿河湾北部、駿河トラフの西側前弧にて、えい航ブイ型洋上システムを用いて約2年間で合計20回のGNSS-音響測位(GNSS-A)観測を行った結果を報告する。
駿河トラフでは東側からフィリピン海プレートが沈み込み、過去の海底の地殻変動観測ではYasuda et al. [2014]によってプレート境界浅部に固着が報告されている。Yasuda et al. [2014]が2012年に設置したGNSS-A海底局(SNW)の待ち受け電池は2025年に至るまで生きており、我々はこれを利用して2023年から観測を再開した。目的は
1. GNSS-Aの洋上システム開発の際のテストフィールドとしての利用
2. 2017年時点で見積もられたSNWの速度との整合性の調査
3. プレート境界浅部の固着の短期の変動の有無の調査
である。
 我々は、GNSS-Aの洋上システムとして自前の専用船を使わずに、船底トランスデューサを用いたハルマウントシステム(Sato et al., 2013)と同等の観測を実施することを目指し、軽量-小型えい航ブイシステムの開発を行っている。洋上システムの構成要素はGNSSアンテナ(位置測定)、ジャイロコンパス(姿勢測定)、トランスデューサ(音響測距)である。本システムでは、図1のようにGNSS収録器、トランスデューサのコントローラ部、姿勢データ収録部(ノートPC)を全て船上に集約し、ブイにはセンサーのみを設置することでブイの軽量化を試みた。このえい航ブイをSNW海底局の観測に導入し、投入・回収などの取りまわし、えい航速度と姿勢の安定、観測準備の容易さ、音響信号の収率などの改善を意図した改良を繰り返した。
 SNW海底局は水深700 m、3台の海底音響トランスポンダーが辺長約500mの正三角形をなして設置されている。一回の観測では900~2,000回の音響測距を2~4.5時間かけて行った。2023年2月から2024年12月で計17回の観測を行ったが、十分な精度の海底局位置推定には3,000回以上の音響測距が必要であることから、得られた各キャンペーンのデータは最低3,000個になるように隣接するキャンペーンのデータと合わせて解析した。この結果、7エポックの座標値が得られた。
 得られた2023年2月から2024年12月の解析結果をYasuda et al. [2014]の結果と合わせて、2012年から12年間のSNWの移動速度を見積もった。結果、ユーラシアプレートに対して北向き8.0±1.4 mm/yr、西向き26.9±1.5 mm/yrの値が得られた。この結果はYasuda et al. [2014]の西向き39±9 mm/yrに比べて小さくなった。またこのトレンドからの、観測値の残差は標準偏差で水平7 mm程度となり、非常に高い精度で海底局位置の推定ができている。短期的な変動の有無については更に検討が必要である。ただしその後に行った2025年1-4月、GNSSアンテナを変更した3回のキャンペーン(1エポック)のみ、トレンドから北に10 cmずれた値が得られており、現在この原因の追究を行っている。

<謝辞>
本研究はJSPS科研費22H01335の助成を受けたものです。

<参考文献>
Sato et al. (2013). Interplatecoupling off northeastern Japan before the 2011 Tohoku-oki earthquake, inferred from seafloor geodetic data,J. Geophys.Res. Solid Earth,118, 3860–3869, doi:10.1002/jgrb.50275
Yasuda, K.,K. Tadokoro,R. Ikuta, T. Watanabe, S. Nagai, T. Okuda, C. Fujii, and K. Sayanagi (2014), Interplate locking condition derived from seafloor geodetic data at the northernmost part of the Suruga Trough, Japan, Geophys. Res. Lett., 41, 5806–5812, doi:10.1002/2014GL060945.