Presentation Information
[S06-07]A study on leaking methane gas in Tokyo Bay and fault coupling
*Tetsuro TSURU1,2, Kazuo NAKAHIGASHI1 (1. Tokyo Univ. of Marine Science and Technology, 2. Univ. of Tokyo)
1. はじめに
東京低地などの東京湾北部沿岸域では、建設工事の際にメタンガス噴出に伴う事故が多数発生しており、それらのメタンガスの起源は首都圏の直下数百~数千mに存在する南関東ガス田の水溶性天然ガスであろうと考えられている(たとえば、2007 国土交通省関東地方整備局:天然ガス対策ガイドブック)。2005年の東京都北区における温泉ボーリング時のメタンガス噴出火災や2007年の東京都渋谷区の温泉施設の火災も、この水溶性天然ガスが原因であろうと言われてきた。
その後、運河などで湧出するガスの観察および組成分析によって、これらのガスが、現生の底泥微生物起源と南関東ガス田起源との2つの起源を有するメタンガスであることが明らかになってきた(布留川ほか, 2021)。さらに、海域および河川域における反射法地震探査によるガス層分布域調査により、ガス田起源の湧出ガスの移動経路として断層が有力であることが示された(鶴ほか, 2024)。しかし、ガスの移動経路になっていると考えられる断層と、なっていないと考えられる2種類の断層が存在することも、同時に示された。
筆者らは、前者の断層は固着度が低いためにガスの移動経路となり、後者の断層は固着度が高いためにガスの移動経路とはならないと仮定し、過去に湧出ガスが観察された場所において、反射法地震探査による断層観察と湧出ガスの観察を同時期に実施した。本稿では、その暫定結果について報告する。
2.調査海域
調査海域は、図1に示す通り、東京都江東区の砂町南運河である。ここでは、ごく少量であるものの、先行研究によって南関東ガス田起源と考えられる湧出ガスが採取されている(水上, 2024)。今回は、再度、湧出ガスの観察・採取・分析を実施すると同時に、反射法地震探査データを取得した。
3.結果および考察
ガス観察の結果、先行研究とほぼ同じ地点で湧出ガスが観察された(現在、組成分析中)。反射法地震探査からは、ガス採取点を挟んで東西2つの断層が確認された。西側の断層はその両側にガス層が分布しているのに対し、東側の断層は片方にしか分布していない。この現象は天然ガス田で良く見られるガス集積形態(断層トラップ)に類似しており、東側の断層は固着度が高いためにガスの側方移動を遮断しているのではないかと考えられる。
東京低地などの東京湾北部沿岸域では、建設工事の際にメタンガス噴出に伴う事故が多数発生しており、それらのメタンガスの起源は首都圏の直下数百~数千mに存在する南関東ガス田の水溶性天然ガスであろうと考えられている(たとえば、2007 国土交通省関東地方整備局:天然ガス対策ガイドブック)。2005年の東京都北区における温泉ボーリング時のメタンガス噴出火災や2007年の東京都渋谷区の温泉施設の火災も、この水溶性天然ガスが原因であろうと言われてきた。
その後、運河などで湧出するガスの観察および組成分析によって、これらのガスが、現生の底泥微生物起源と南関東ガス田起源との2つの起源を有するメタンガスであることが明らかになってきた(布留川ほか, 2021)。さらに、海域および河川域における反射法地震探査によるガス層分布域調査により、ガス田起源の湧出ガスの移動経路として断層が有力であることが示された(鶴ほか, 2024)。しかし、ガスの移動経路になっていると考えられる断層と、なっていないと考えられる2種類の断層が存在することも、同時に示された。
筆者らは、前者の断層は固着度が低いためにガスの移動経路となり、後者の断層は固着度が高いためにガスの移動経路とはならないと仮定し、過去に湧出ガスが観察された場所において、反射法地震探査による断層観察と湧出ガスの観察を同時期に実施した。本稿では、その暫定結果について報告する。
2.調査海域
調査海域は、図1に示す通り、東京都江東区の砂町南運河である。ここでは、ごく少量であるものの、先行研究によって南関東ガス田起源と考えられる湧出ガスが採取されている(水上, 2024)。今回は、再度、湧出ガスの観察・採取・分析を実施すると同時に、反射法地震探査データを取得した。
3.結果および考察
ガス観察の結果、先行研究とほぼ同じ地点で湧出ガスが観察された(現在、組成分析中)。反射法地震探査からは、ガス採取点を挟んで東西2つの断層が確認された。西側の断層はその両側にガス層が分布しているのに対し、東側の断層は片方にしか分布していない。この現象は天然ガス田で良く見られるガス集積形態(断層トラップ)に類似しており、東側の断層は固着度が高いためにガスの側方移動を遮断しているのではないかと考えられる。

