Presentation Information
[S06-08]Configuration of subducting Philippine Sea plate estimated with NIED MeSO-net, S-net, and so on.
*Makoto MATSUBARA1, Shin'ichi Sakai2 (1. National Research Institute for Earth Science and Disaster Resilience, 2. Earthquake Research Institute, the University of Tokyo)
1. はじめに
首都東京の下には相模トラフから沈み込むフィリピン海プレート、日本海溝から沈み込む太平洋プレートが存在し、それらのプレート境界やプレート内部では地震活動が活発である。2008年からは東京大学地震研究所(東大地震研)等によって首都圏地震観測網(MeSO-net)の(平田・他、2009)、2016年からは防災科学技術研究所(防災科研)により日本海溝海底地震津波観測網(S-net)の運用が始まり、2000年からの高感度地震観測網(Hi-net)等と合わせて稠密な地震観測網が存在する。本研究ではこれらのデータから関東地域の三次元地震波速度構造を推定し、それを用いて再決定した震源分布、プレート境界特有の逆断層型の震源分布、構造から推定される低速度海洋地殻から沈み込むフィリピン海プレートの形状を構築することを目的とした。
2. データ・手法
解析対象領域は北緯34-37°、東経138-142°である。179,795個の地震から838観測点の7,703,128個のP波、5,442,642個のS波到達時刻データにスムージングや観測点補正値を導入した地震波トモグラフィー法(Matsubara et al., 2004)を適用して解析した。グリッド間隔は水平方向に0.05°でありスムージングの関係で分解能は水平方向0.1°である。MeSO-netを用いたP波異方性の解析結果(Ishise et al., 2020)と同じ分解能であり、日本列島下全体(Matsubara et al., 2022)の分解能(0.2°)の半分の大きさの異常まで捉えられた。20回のインバージョンにより、P波の残差は0.432秒から0.143秒に、S波は0.718秒から0.187秒に変化した。
3. 結果・議論
MeSO-netのデータの活用により、浅部の詳細な構造が得られた。深さ5kmにおいてはMatsubara et al. (2022)では相模湾と千葉県北部から茨城県全域と栃木県東部にかけて非常に低速度な領域が広がっていたが、本解析では相模湾と房総半島南端部、栃木県東部と茨城県西部および南東部に低速度領域が存在することが分かった。千葉県北部については局所的な低速度領域は存在するが、大きな広がりではない。Vp/VsについてもMatsubara et al. (2022)では神奈川県東部・東京都区部・埼玉県南東部を囲むように神奈川県西部から山梨県東部、東京都西部、埼玉県、群馬県南部、栃木県南部、茨城県南西部、東京湾から千葉県東部にかけて幅約100kmの高Vp/Vs域が推定されていたが、本解析では幅が約60km程度まで限定された。
S-netのデータの活用により、海域下の分解能が向上し、太平洋プレートの沈み込みについても詳細な構造が求められた。S-netの観測点間隔は30-60kmであるため、浅部については分解能約10kmでの解像度は難しいが、深さ30km以深では陸域と同じ分解能で得られた。
三次元地震波速度構造から鉛直断面図を作成し沈み込むフィリピン海プレートの低速度海洋地殻、三次元構造を用いて再決定された震源分布、プレート境界特有の逆断層型の地震の震源分布から、フィリピン海プレート上面形状モデルを構築した。Hirose et al.(2007)と比較すると深さ20kmの等深線が東京湾で約15km、深さ30kmの等深線が千葉県北部で最大約35km北へ移動する形となった。フィリピン海プレート上面における逆断層型の地震は霞ヶ浦付近から北東側ではあまり見られない。フィリピン海プレートの北東端はIshise et al. (2020)から霞ヶ浦付近で約10km程度北東側へ伸びるが、Uchida et al, (2009)までは到達しない結果となった。
首都東京の下には相模トラフから沈み込むフィリピン海プレート、日本海溝から沈み込む太平洋プレートが存在し、それらのプレート境界やプレート内部では地震活動が活発である。2008年からは東京大学地震研究所(東大地震研)等によって首都圏地震観測網(MeSO-net)の(平田・他、2009)、2016年からは防災科学技術研究所(防災科研)により日本海溝海底地震津波観測網(S-net)の運用が始まり、2000年からの高感度地震観測網(Hi-net)等と合わせて稠密な地震観測網が存在する。本研究ではこれらのデータから関東地域の三次元地震波速度構造を推定し、それを用いて再決定した震源分布、プレート境界特有の逆断層型の震源分布、構造から推定される低速度海洋地殻から沈み込むフィリピン海プレートの形状を構築することを目的とした。
2. データ・手法
解析対象領域は北緯34-37°、東経138-142°である。179,795個の地震から838観測点の7,703,128個のP波、5,442,642個のS波到達時刻データにスムージングや観測点補正値を導入した地震波トモグラフィー法(Matsubara et al., 2004)を適用して解析した。グリッド間隔は水平方向に0.05°でありスムージングの関係で分解能は水平方向0.1°である。MeSO-netを用いたP波異方性の解析結果(Ishise et al., 2020)と同じ分解能であり、日本列島下全体(Matsubara et al., 2022)の分解能(0.2°)の半分の大きさの異常まで捉えられた。20回のインバージョンにより、P波の残差は0.432秒から0.143秒に、S波は0.718秒から0.187秒に変化した。
3. 結果・議論
MeSO-netのデータの活用により、浅部の詳細な構造が得られた。深さ5kmにおいてはMatsubara et al. (2022)では相模湾と千葉県北部から茨城県全域と栃木県東部にかけて非常に低速度な領域が広がっていたが、本解析では相模湾と房総半島南端部、栃木県東部と茨城県西部および南東部に低速度領域が存在することが分かった。千葉県北部については局所的な低速度領域は存在するが、大きな広がりではない。Vp/VsについてもMatsubara et al. (2022)では神奈川県東部・東京都区部・埼玉県南東部を囲むように神奈川県西部から山梨県東部、東京都西部、埼玉県、群馬県南部、栃木県南部、茨城県南西部、東京湾から千葉県東部にかけて幅約100kmの高Vp/Vs域が推定されていたが、本解析では幅が約60km程度まで限定された。
S-netのデータの活用により、海域下の分解能が向上し、太平洋プレートの沈み込みについても詳細な構造が求められた。S-netの観測点間隔は30-60kmであるため、浅部については分解能約10kmでの解像度は難しいが、深さ30km以深では陸域と同じ分解能で得られた。
三次元地震波速度構造から鉛直断面図を作成し沈み込むフィリピン海プレートの低速度海洋地殻、三次元構造を用いて再決定された震源分布、プレート境界特有の逆断層型の地震の震源分布から、フィリピン海プレート上面形状モデルを構築した。Hirose et al.(2007)と比較すると深さ20kmの等深線が東京湾で約15km、深さ30kmの等深線が千葉県北部で最大約35km北へ移動する形となった。フィリピン海プレート上面における逆断層型の地震は霞ヶ浦付近から北東側ではあまり見られない。フィリピン海プレートの北東端はIshise et al. (2020)から霞ヶ浦付近で約10km程度北東側へ伸びるが、Uchida et al, (2009)までは到達しない結果となった。
