Presentation Information
[S06-10]Three-dimensional seismic velocity structure in the Hyuga-nada forearc: Kyushu-Palau Ridge subduction and mud volcano distribution
*Ryuta ARAI1, Kazuya Shiraishi1, Yasuyuki Nakamura1, Gou Fujie1, Seiichi Miura1, Ayako Nakanishi1, Tsutomu Takahashi1, Shuichi Kodaira1, Kimihiro Mochizuki2 (1. Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 2. Earthquake Research Institute, The University of Tokyo)
九州パラオ海嶺が沈み込む日向灘海域では、海山の沈み込みがプレート境界における地震発生様式や断層周辺での流体移動に与える影響について広く議論されてきた。先行研究であるArai et al. (2023, 2024) は日向灘海域で取得された海底地震計(OBS)探査データに波形インバージョン解析を適用し、プレート境界から海底面までほぼ鉛直につながる幅数kmの低速度帯(破砕帯)が前弧域に多数存在することを明らかにした。これらの破砕帯は流体を豊富に含むとされるスロー地震の発生領域と連結していることが示され、さらにプレート境界から上昇する流体の経路として機能し、海底における泥火山活動に直接関与している可能性も指摘されている (Arai et al., 2025)。
これらの研究の進展を踏まえ、本研究では九州パラオ海嶺の沈み込み構造と流体分布を3次元的に明らかにすることを目的として、3次元走時トモグラフィ解析に基づくP波速度構造モデルを構築した。解析には、海洋研究開発機構がこれまでに日向灘海域で取得したOBS探査データを使用した。具体的には、2020年および2021年に実施されたHYU01–04測線に加え、2008年に実施されたHY01–04測線を用いた。モデル領域は、沈み込む海山と多数の泥火山を含む前弧域の海溝軸方向152 km、沈み込み方向72 kmの範囲に設定した。242台のOBSで記録された28万以上のP波初動読取値を解析に使用した。これらのOBS探査では、測線上のエアガン発振だけでなく従来十分に活用されてこなかった測線外からの発振も記録されており、これらのデータを活用することで3次元かつ広域なモデル構築が可能となった。波線は前弧域全体にわたって密に分布しており、checkerboard test により10 km以下のスケールの不均質が解像可能であることを確認した。さらに、多方位からの走時データを利用することで、上盤プレート内部における地震波異方性を制約し、海嶺沈み込みに伴う応力場の理解にも資することが期待できる。
初期的な解析の結果、上盤プレート内の深さ5 km付近に沈み込む海山の前縁側を取り囲むように低速度帯が存在することが明らかとなった。この低速度帯の分布はスロー地震の発生域とも重複しており、沈み込む海山が広域的な流体移動や多様な地震活動に与える影響を議論する上で重要な知見となる。本講演では、これらの沈み込み構造と2024年日向灘地震との関係についても議論する。
これらの研究の進展を踏まえ、本研究では九州パラオ海嶺の沈み込み構造と流体分布を3次元的に明らかにすることを目的として、3次元走時トモグラフィ解析に基づくP波速度構造モデルを構築した。解析には、海洋研究開発機構がこれまでに日向灘海域で取得したOBS探査データを使用した。具体的には、2020年および2021年に実施されたHYU01–04測線に加え、2008年に実施されたHY01–04測線を用いた。モデル領域は、沈み込む海山と多数の泥火山を含む前弧域の海溝軸方向152 km、沈み込み方向72 kmの範囲に設定した。242台のOBSで記録された28万以上のP波初動読取値を解析に使用した。これらのOBS探査では、測線上のエアガン発振だけでなく従来十分に活用されてこなかった測線外からの発振も記録されており、これらのデータを活用することで3次元かつ広域なモデル構築が可能となった。波線は前弧域全体にわたって密に分布しており、checkerboard test により10 km以下のスケールの不均質が解像可能であることを確認した。さらに、多方位からの走時データを利用することで、上盤プレート内部における地震波異方性を制約し、海嶺沈み込みに伴う応力場の理解にも資することが期待できる。
初期的な解析の結果、上盤プレート内の深さ5 km付近に沈み込む海山の前縁側を取り囲むように低速度帯が存在することが明らかとなった。この低速度帯の分布はスロー地震の発生域とも重複しており、沈み込む海山が広域的な流体移動や多様な地震活動に与える影響を議論する上で重要な知見となる。本講演では、これらの沈み込み構造と2024年日向灘地震との関係についても議論する。
